●許されざる者 | 戸田さと美オフィシャルブログ Powered by Ameba

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「人を斬って・・・斬って斬って
最後には誰かに斬られて死ぬ。
ただそれだけの人生だと思ってた」



その背中に、罪を一身に背負って生き抜く、、、
そんな一人の男の物語


【許されざる者】


試写会にお招きいただきたので、
本日は個人的な感想を書かせて頂こうと思います。


渡辺 謙
柄本 明
佐藤浩市

豪華キャスト出演でTVやネットでも話材の作品ですね、


1880年。舞台は未開拓の地・北海道。
人斬りと呼ばれた男は亡き妻のために固く封印したはずの刀を、
なぜ、ふたたび解き放つのかー。



ただ、小さき子らのささやかな明日のために、
虐げられた女たちのなけなしの誇りのために、
無残にも散ったたったひとりの友のために・・・

背負ったものは千億の罪、託したものはひとつの願い。
人間の本物の魂が、ここに------.。



ロケ地は北海道という事で
そのスケールの大きさ、大自然の美しさは、この映画の一つの魅了だと思います。

そんな中物語は始まっていきます。
時は江戸から明治への転換期

わたしは幕末~明治時代が大好きで歴女っぽいところがあります(笑)
この時代は江戸時代の終わりと共に武士がなくなり、
世の中が180度変わっている背景の中、
時代についていけない者が多く出て、昨日正義だったものが、逆賊と呼ばれる。
貧困で苦しい生活をしていくしかない。
女は女郎として働き、虐げられて生きていく。
今回の物語の発端も、若い女郎のなつめが酔客に顔を切り刻まれたのにも関わらず
事件を起こした張本人は馬6頭を収める事で釈放されるという。。。。
女は馬と同じ扱いなのか?そんな女たちの悲痛な叫びから始まります。

そんな女たちは復讐の為、事件を起こした張本人たちの首に賞金をかけます。



十兵衛(渡辺謙)のもとに賞金稼ぎの話を持ちかけた金吾(柄本明)ですが、
亡き妻と人殺しをしないと誓った十兵衛。
その誘いは断るものの、
11年前に封印した刀を取り出すと、すっかり錆びついたその探検を手に
金吾を追いかけた。


そんなオープニングから始まります。




正直観終わってから思ったのが、ものすごく難しい映画だなぁって。
誰が悪で誰が善か。。。

それすら区別がつかない。

それぞれのキャストの背景
つまり、生まれ持った境遇や、環境
それらが、自分の意志とは関係なく、理不尽に働き
心の奥底にずーとこびり付いている。

それぞれが、背負っているのもを抱えて懸命に生きる。
1人1人が主役のように思える。そんな映画でした。

何故かと言うと、
それぞれに抱えているものが
深いテーマとして取り上げる事が出来るから。

だから様々な思いが交差し、
1つの答えなんてない気がして。


ただ、言える事は

自分の誇りに対して誠実に。
何が正しいなんて教科書もお手本もない。

信じるのは自分の想い。

それってこの時代に生きる人の特徴な気がします。

また暴力シーンが多いので女性は目を覆いたくなる事もあるかなぁとは思います。
が、そこだけを見るのではなく、この映画の場合は
力というものの本質。を考えさせられた気がします。
ここでは「力」が「暴力」というものに置き換えれれていますが、
私には一つの比喩表現な気がしてます。


つまり、目に見えない力、自分の意志とは関係ないものが
働いてしまう、コントロールさえできないほどの力。
どうしようもないけれども、

それぞれの個々の想いと葛藤しながら懸命に生き抜く。

そんな人間臭い、考えさせられる映画だなぁって思います。



きっと
20代の時
30代の時
40代の時
50代の時
観る年代によって、自分の感じ方も違うだろうな、
その時の経験値でいろいろな方向性でこの映画の伝えたい事を
くみ取れる、そんな映画って中々ないですよね。

そんな貴重な映画だと思います。

今後、そう世には出てこない、素晴らしい映画だと思います。

皆さんも、是非
この機会に会場へ足を運んでみてくださいね。



【許されざる者】