国防部会・安全保障調査会の合同会議が開催され、防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案及び9月25日の北朝鮮による弾道ミサイル発射について議論した。

 

〇自衛官の給与について

地方協力本部の隊員と話をすると、自衛官募集の悲惨な現状が聞こえてくる。

一般職の公務員の給与引き上げに合わせて自衛官の給与も引き上げる法律案であり、これはこれで良いのだが、現在の募集難を考えると自衛官の給与体系を抜本的に変える必要があると佐藤は考える。

特に、自衛官候補生は最初約14万円、3ヶ月過ぎると約17万円である。しかも警察・消防と違い、任期制自衛官では身分保障も約2~3年しかなく、それに加えて、警察・消防の勤務地は当該地方自治体内であるのに対して自衛官は全国転勤である。働き方改革に取り組む民間で求人が増加している現状も考えると、今の自衛官の待遇では良い人材を確保することは難しい。

今回の法案で主に若い人の給料が上がっているが、他の観点からも議論して隊員の処遇改善を考えてもらいたい。例えば、いわゆるみなし残業として付いている毎月20.5時間相当の残業代を再検討するとか、営内残留などで休暇だが営内に居住しなければならない場合の処遇を考えるなど、まだまだ工夫できることはある。

給料は、人の募集・人材の充実に影響するのだから、防衛力の抜本的強化に繋がるものとして取り組むよう強く求めた。

 

〇北朝鮮の弾道ミサイル発射について

北朝鮮の弾道ミサイルは、変則軌道や極超音速滑空弾等の特性を持つようになり、現在の科学力では迎撃が困難になってきている。加えて、PAC3とイージスミサイルが不得意とする高度を飛ぶようになってきているのだ。

迎撃困難なミサイルが発射されている現状を考えれば、迎撃能力を上げることだけでなく、敵基地への反撃能力の保有を検討する必要がある。

更に言うならば、ミサイル迎撃能力のない北朝鮮は、日本が反撃能力を持てば抑止に繋がるが、一定の迎撃能力がある中国にとってはただ届くだけの反撃能力では抑止にならない。中国への抑止をかけるにはレベルの高い反撃能力を日本が持つ必要がある。

以上を考慮すると、適切な反撃能力の保有を急ぐ必要があり、政府と与党で予算付けを含めて検討しなければならない。

 

〇自衛隊の災害派遣における自主派遣について

台風15号の被害に伴う自衛隊の災害派遣の話であるが、被災から2日たっての派遣となった。自治体の都合もあるだろうが、被災2日後にようやく災害派遣要請が出されて自衛隊が活動できる仕組みは、被災した国民が納得できない。

基本的に自治体からの派遣要請がなければ活動できないという現状の枠組みを見直し、自衛隊の自主派遣の規定の見直しも必要だと思う。知事からの要請が一つのポイントであるならば、知事との調整状況も踏まえ「要請見込み」で自主派遣できるような立て付けにするなどバッファを持たせるべきだ。

自衛隊が活用しやすい自主派遣の枠組みとなって、それで国民の生命を救えるのならば双方に得があるだろう。