今朝の外交部会では、林外相の韓国大統領就任式出席、林外相のフィジー及びパラオ訪問並びに太平洋島嶼国の現状について議論した。

まず、ユン・ソンニョル氏の新大統領の就任については、米韓同盟を重視する保守政権の誕生に祝意を表したいと思う。一方で、改善意欲があるから薔薇色の日韓関係が待っているという妄想は捨てた方がよい。反日だった前政権の影響によって、日韓関係は戦後最悪の状態に陥っており、新政権は、日韓関係がこれ以上悪化することは避けなければならないというところからのスタートとなっている。岸田総理は、もう二度も三度もだまされるわけにはいかない。韓国側が、関係改善に前のめりになっているのは評価するが、日本側がいまから過度な前のめりをすることがあってはならない。二度も三度もだまされれば、日本の名誉にかかってくる。これまでの保守政権においても、国内世論が厳しくなれば、支持率が低くなれば、保守政権であっても反日に政策を切り替え、時の大統領が竹島に上陸したり、GSOMIAの署名を直前でドタキャンしたりということもあった。韓国の現状は、歴史問題含めて世論が二分され、国会がねじれているという状況であり、また、結局のところ韓国は中国に経済を依存しているため、中国に対して相当気を遣っている。

北朝鮮対応について、日米韓が連携することは極めて重要だが、日韓関係においては、ボールは韓国側にあるという現実はなんら変わってはいけない。我が国は国益に照らし合わせて、韓国側が、スピード感をもって日本にとって受け入れ可能な解決案を提示することを、腰を落ち着けて待つことが肝要。韓国側からのアクションがないなかにおいて、国際会議での立ち話はともかく、首脳会談を行うことがあれば、将来に禍根を残しかねない。

 

なお、太平洋島嶼国関係では、林外務大臣のフィジーとパラオ訪問は、上杉外務大臣政務官の出張に続き、中国のけん制あるいは米国、ニュージーランド、そしてオーストラリアとの連携という意味では、意義が大きいものとなったが、中国は既に太平洋島嶼国の取り込みに励み影響力を拡大させている。これまではメラネシアやポリネシアは、米国の意識が弱く、豪とニュージーランドに任せきりの部分があったが、今後、日米豪ニュージーランド及びフランス等との連携は更に強化する必要がある。

今般、太平洋島嶼国との関係性強化に向けて、経済協力等の諸施策の実施、太平洋島嶼国議員交流等を行うことを目的に、外交部会で太平洋島嶼国政策PTを立ち上げることを決定した。中国が影響力を伸長してきているなかにおいて、太平洋地域の安定を目指し、しっかり議論していきたい。