今朝の関係部会合同会議では宮澤国防部会長、井林財務金融部会長、石川経済産業部会長も交えて、本日もウクライナ情勢について議論を行った。

先日岸田総理から呼ばれ、官邸で外交部会長として意見を申し上げた。部会では再三速やかに追加制裁をすべきと議論してきたが、そのことが総理の耳には十分に伝わっていないと感じた。本日も政府には速やかな是正とともに、総理にも報告するよう求めた。実際、米国が様々な制裁案を矢継ぎ早に出していることとは対照的で、日本の対応は遅く顔の見えない外交に陥っている。日本としては、ウクライナへの侵略を受けてロシアとの北方領土返還交渉を打ち切り、ロシアによる不法占拠という歴史的事実を明確に述べる必要があるのではないか。それが出来なければ、日本の外交は「聞かざる、見ざる、言わざる、動かざる」であると断じざるを得ない。

アジアの空路、海路がロシアの抜け穴になっており、ロシア機の領空乗り入れを禁止するなどの措置が必要だ。この点でアジアの対応は遅れている。だからこそ、G7唯一のアジアの国として、日本はASEAN各国に率先して対応を促さなければならない。ロシアの侵略に明確な姿勢を示し行動を起こすことが、後々アジアで安全保障上の脅威が発生したときに欧州諸国に支援を求める基礎となる。また、ロシアの言動に曖昧で甘い対応をとり続けている中国との明確な対比ともなる。国際社会が日本と中国のどちらを評価するかは言うまでもない。

また名は体を表すというが、ウクライナの首都『キエフ』がロシア語の発音に由来したものである以上、これをウクライナ語に変更すべきであることも述べた。本来ウクライナ語では『キーウ』であり、政府には直ぐにでも発音表記を改めてもらいたい。キエフ、チェルノブイリ、オデッサ以外の都市は既に2014年のクリミア侵略後にウクライナ語に変更済であることから、ウクライナの首都を今後もキエフと呼び続ける道理はないであろう。