先日の外交部会での部会長冒頭挨拶で、あらゆる手段を用いて日本はトンガを支援すべきだと佐藤は主張した。1月17日に岸田首相からトンガ政府に支援の用意がある旨を伝え、翌日には1月18日にトンガ政府から正式に支援要請を受けた。我が国としては100万米ドル以上の緊急無償資金援助実施を表明。そして、国際緊急援助隊、自衛隊部隊の派遣も決定した。

 

防衛省・自衛隊としての支援は以下の通り

1. 現地における情報収集・連絡調整のため、オーストラリアに現地調整所を設置

2. トンガ王国国際緊急援助空輸隊等を編成し、C-130輸送機2機、C-2輸送機2機による輸送活動を実施。ニュージーランド、豪州に続いて3番目の早さ

3. トンガ王国国際緊急援助活動統合任務部隊を編成し、輸送艦「おおすみ」1隻による輸送活動を実施

 

日本からの迅速な支援に対して、トンガの首相からは「まさかの時の友こそ真の友、とはまさしくその通りだ」と謝意が示された。また、外務大臣からは「こんなにも早く救援物資を送っていただけるとは、本当にありがたい」と迅速な救援活動として評価いただいた。その他、各大臣も空港に出迎えてくれたが、トンガは医療体制が脆弱であることから首相同様に距離を取り、日本から来た救援隊員と直接触れ合わないよう感染対策に注意を払っていた。このように、今回の救援活動は非接触型で行われた。現地に到着した物資の受け渡し人員は防護服着用で、しかも機内から外には出なかった。受け取る空港職員も同様に防護服着用し、万全の体制で行った。外に出られない隊員たちは、防護服の背中に「TOMODACHI」と手書きで書き、友好的な活動を示した。トンガ側も横断幕を準備し謝意を表した。緊張感が漂う物資受け渡し作業の中でも、日本とトンガがお互いへの敬意を具体的なカタチで示し合えたことに、佐藤は思わず胸が熱くなった

 

一方で4名が感染し、濃厚接触の疑いがある36人の隊員が現在隔離されている。支援物資の輸送活動は一時中断を余儀なくされている。しかし、支援を待つトンガ国民のためにも、ここがふんばりどころ。しっかりと原因を検証した上で、再開後の活動に生かしてもらいたい。自国民の救援で多忙を極めるトンガ政府からの支援要請を待つだけではなく、プッシュ型で支援活動を継続していかなければならない。2011年の東日本大震災でトンガから受けた支援に応える意味でも、今回の我が国からの支援は重要な意味を持っている。引き続き、日本から働きかけるプッシュ型での支援を政府には模索してもらいたい。