本日、日本からは自民党の外交部会長の佐藤と大塚拓・国防部会長、そして台湾からは民進党の国際事務部トップの羅致政・立法委員と軍人の経歴を持ち安全保障に精通する蔡適應・立法委員がオンラインで意見交換を行った。二国間で両国の外務大臣と国防大臣が共に席に着く2プラス2の議員外交版であり、6月に外交部会の「台湾政策PT」で取りまとめた提言の一部を早速形にしたものだ。

 

日本側から開催を呼びかけ、約90分。出席者それぞれが今後の日台関係や、台湾有事を念頭に外交や安全保障の分野で日台が如何に連携を密に出来るか見解を述べた。まだまだ話したいことは山ほどあったが、時間の制限のため途中で終えざるを得なかったというのが率直な感想だ。中身は外交・防衛関連なので細部は明らかに出来ないが、例えば、WHO(世界保健機関)を始め、ICAOやCOP等地域的な空白を作らないよう台湾が国際機関で支障なく活動できることが国際社会にとり重要だ。ただ、実態は、未だ世界中がコロナで苦しむ中でも、中国はWHOにおいて台湾の参加を認めようとしない。国民党の代表が台湾の総統時は認めていたにも関わらずだ。この現状を打開して、台湾含めて感染症対策に国際協調で臨む体制を作るべきだ。貿易面では、CPTPPに台湾が加盟申請することを希望する旨を伝えた。台湾の早期の意思決定を促したい。

 

太平洋島嶼国のキリバスが台湾と断交した件では、ここに日本は新たに大使館開設を目指すよう自民党からも政府に求めていることを伝えた。キリバスを拠点に、日本が台湾との関係強化を同国首脳に訴えるような支援が出来ないかと佐藤は考えている。その他、半導体やデジタル、経済安全保障など様々な点でも、これまで以上に日台協力を深化させたいと思う。

 

超党派の議員が集まれば発言は慎重にならざるを得ない部分も出てくるが、今回は与党の政策責任者同士であるため発言に具体性があった。更に深掘りして議論するためにも、継続的に対話の機会を持つことをお互いに約束した。日台間には国交がないため、政府間の交渉の不足分を、与党議員外交で共通目標を作り、それを各々の政府に働きかける枠組みは効果的だと思う。

 

台湾のアンケートで、ポストコロナで一番行きたい国は日本が42.1%で断トツ1位だという。そうであれば次回は是非、両立法議員を東京で出迎え、対面での2プラス2を開催したい。