本日は、佐藤が事務局長を務める自民党の国防議員連盟を開催。テーマは幅広く、以下の点を議論。

 

1.       熱海災害派遣の教訓対応(ドローン、防暑服、救助犬装具等)

2.       パラリンピック支援

3.       来年度予算(南西諸島防衛、次期戦闘機、総合ミサイル防空等)

4.       自衛隊による海外人員等輸送の法的枠組み

 

熱海災害派遣の教訓対応については、7月3日に熱海市内で土石流が発生し、静岡県知事から陸上自衛隊34普通科連隊長(板妻)に対して災害派遣要請が出された。しかし、現地活動人員約100名のうち、ワクチン1回目接種を終えたのは約2%に留まった。各県知事や市町村長の判断で警察消防は接種が進む中、知事の権限が及ばない自衛隊の接種遅れが目立った。何故、接種が遅れたのか。医療従事者同様に災害派遣現場で多くの人と接する自衛官が何故優先されないのか。その根本原因を問う出席議員の声が相次いだ。そして、今回、佐藤は現場に入り、隊員たちから任務遂行する上での課題を聞き取った。要望が多かったのは防暑服。これまでよりも通気性がウリだが、それでも決して涼しいとは言い切れない。この防暑服が現時点で配布されているのは、沖縄及び奄美諸島で任務に当たる隊員のみ。しかし、いまや夏の間の都市部の暑さと不快さは沖縄を凌ぐことも珍しくはない。災害派遣が常態化する中で、必要とする場所には全国どこであっても炎天下で作業にあたる隊員が着用できるよう配慮が必要。服装が、炎天下で作業する隊員の障害になってはいけない。防暑服に限らず、柔軟な対応が必要だ。

 その他、災害現場でのドローンの活用は今後益々必要性が高まっているため、市場に出ている民生品の導入を加速化するべきだ。現場で必須のショベルドーザーについても、障害物を取り除くグラップルは、陸自部隊が装備する小型ショベルドーザーには装着不能。消防は小型ショベルのグラップルを持っていたが、自衛隊はない。今回のような熱海市の災害現場のように、大型ショベル等が入れないような場合は、小型ショベルにグラップルは有効だ。現場隊員からもリース等の要望があった。

これら現場からの要望は災害現場での隊員の作業能率を上げる意味で大変重要であるため、同席してもらった防衛省幹部に佐藤からもしっかりと伝えた。

 

パラリンピック支援については、東京オリンピック支援の教訓から、ワクチン2回接種済の約460名が支援を実施。PCR検査も定期的に行われる。国家行事に参加することは組織にとっても隊員個人にとっても大きな財産になることは間違いないものの、長期間継続して任務に当たるにもかかわらず、特別手当が出せない状況については制度を変える必要がある。中には2ヶ月以上自宅に戻れない者もいる。全国各地から招集される警察関係者の手当と比較して、防衛省・自衛隊の福利厚生はあまりに貧弱だ。期末手当等での配慮を強く求めた。

 

自衛隊の体制整備について、来年度予算の観点から南西諸島防衛について議論した。港や空港インフラ、燃料庫、弾薬庫と弾の整備など整備しなければいけないことは多い。その他では場所は未定であるものの、地対艦誘導弾部隊の配備が進められているとのことだ。

 

最後の海外人員等輸送の法的枠組みについては、今回のカブール脱出作戦の法的根拠となる自衛隊法84条の4と共に、比較対象として在外邦人等の保護措置を定めた自衛隊法84条の3についても説明があった。その他、人道的な国際救援活動等の輸送手続きなどについても併せて概要を確認した。今後アフガニスタンと同様のことが起きないとは断言出来ず、海外で邦人が巻き込まれた際の危機対応とその手順についてしっかりと理解しておかなければならない。

 

議員連盟は、普段国防部会などで扱わない議題を取り上げたり、同一の議題であっても中長期の視点からアプローチすることが出来る。今後も議員連盟の特性を生かしながら、国防に関わる問題を提起していきたい。