本日の国防部会・安全保障調査会合同会議では、以下の項目を議論。

 

1、イージス・システム搭載艦について

2、骨太の方針(国防関連部分)の状況報告について

3、ワクチン接種に関する状況等について

 

本日は骨太の方針(国防関連部分)について了承した後、メインテーマのイージス・システム搭載艦の議論に移った。これまでの国防部会での議論を踏まえ、イージス・システム搭載艦についての陸上配備から洋上配備に配備形態が変更となったことに伴うSPY7/BL 9とSPY6/BL10の性能等比較調査結果の報告であった。

 

ポイントとしては、米海軍の協力を得て情報収集し、洋上システムとしての性能等を比較したものということだ。防衛省と米海軍が擦り合わせた評価は、SPY7及びBL9が性能上優れており、維持運用コスト含めトータルコストが安いという評価を再確認したとの報告であった。SPY7はCEC等総合ミサイル防空上も米海軍との相互運用性もSPY6と同等ということだ。防衛省の説明では、米海軍を上回る世界最高のBMDと防空能力を備えたイージス・システム搭載艦になる。しかし、イージス・システム搭載艦の運用原則に関し、防衛省の中でも幹部によって言うことが食い違い、それぞれの説明が異なる点があった。それが省内の連携不足なのか、海幕の課長が出席していたことによる意図的なものなのかは分からないが、こういった重要事項について説明が食い違うことは信頼関係にひびが入る行為だ。結論の一つは原則沖合運用だ。沿岸での運用は補給整備で寄港した時に、状況急変し、たまたまミサイル防衛任務に就かざるを得ない時など以外は想定していない。秋田県や山口県及びその隣県の方々の不安を惹起しないよう明確にすべきだ。防衛省内局の課長の説明は的を得ず、混乱を招く。局長が課長答弁を大臣了解のラインで修正した。これ一つとってもイージスアショア失敗の教訓が生きていない。また、同じ失敗をする可能性も否定できない。引き続き念押ししていきたい。

 

自衛官へのワクチン接種について、本日現在医療従事者等14,000人についてはほぼ終了している。緊急性の高い任務に従事する隊員には5月24日から先行接種が開始されている。今後全国の自衛隊施設の中で計16カ所の自衛隊病院や規模の大きな基地・駐屯地の医務室を拠点として、残りの約20万人に対して接種が行われる予定だ。しかし東京と大阪の大規模接種会場で医官が約300名派遣されており、残された医療スタッフで全隊員に接種せざるを得ず非常に苦しい。この点で厚労省からは隊員へのワクチン接種で打ち手の確保に動いてくれる気配は微塵もなく、結果として自衛隊は医官を外部に派遣したことで内部のワクチン接種対象者が後回しにされている。政府にこの点をしっかり認識してもらえるよう、引き続き働きかける。