本日の外交部会・外交調査会合同会議として、以下の5点を議論。

 

1、ベラルーシにおける民間航空機強制着陸及びジャーナリスト拘束に対する非難決議(案)について

2、台湾へのワクチン供与について

3、中国、ロシアのワクチン外交について

4、宗谷岬東方海域における日本漁船の臨検・連行について

5、旧朝鮮半島出身労働者問題

 

1.は、非難決議案に意見や異論は一切出ずに、部会長の佐藤に一任いただいた。4.と5.は事実関係を確認し、今後も状況を注視していく。

 

本日集中的に時間を割いたのは2.と3.のワクチンだ。台湾へのワクチンは、6月4日に日航機での到着の瞬間が実況中継されるほどの注目度で、台湾では歓迎されている。中国寄り含め台湾主要メディアから、今回のワクチン供与を批判的に報じる論調も見つかってはいない。米国から訪台した上院議員3名がワクチン75万回分供与を6月6日に発表したことを考えると、その2日前に約124万回分供与した日本は外交面で大いに存在感を示すことが出来た。

 

中国とロシアは、それぞれ自前でワクチンを開発し、ワクチン外交を展開している。ロシアのワクチンはこれまでに67カ国・地域で承認され、中国のワクチンは80カ国余りにワクチン援助し40カ国余りに輸出している。エジプトやUAEなど10カ国余りとは技術移転と協力生産を実施しており、中国の影響力はロシアに比べて大きい。台湾に対してワクチン供与で揺さぶりをかけるなど、中国のワクチン外交は日本としてしっかり注視していかねばならない。

 

米国の台湾へのワクチン供与はCOVAXを通じて75万回を供与する意向だが、米国の言うようにCOVAXを通じてワクチン供与先と量を指定できるのか、疑問だ。これまでの日本政府の説明と違う。ただ、仮に日本政府も供与先と量を指定出来るのであれば、今後の日本外交を展開する上での重要な論点にもなりうる。今後、ワクチン国内生産を目指す日本にとって、より柔軟にワクチンを他国に供与出来れば、外交の選択肢は広がり戦略的な対応が可能になる。政府には、COVAXとこの点をしっかり確認するよう強く要求した。