参議院外交防衛委員会への出席のため、昨日の同時刻に開催された党国防部会・安全保障調査会合同会議はやむなく欠席。配付資料に基づいて、以下内容を報告する。

 

議題は以下の3項目。

 

1.    日仏米豪共同訓練について

2.    自衛隊大規模接種センターの運営状況について

3.    自衛隊員へのワクチン接種に関する決議(案)について

 

報道でも報告されたとおり、4月5日から5月17日にかけて、ベンガル湾、沖縄周辺海域、九州とそれぞれの地域において日仏二国間及びクアッド構成国の米豪印も加えた共同訓練がそれぞれ行われた。フランスは自国を太平洋国家と位置づけており、東シナ海を含むインド太平洋地域への具体的なプレゼンスを示すこととなった。日仏防衛協力が段階的に進展する中で一層の深化を象徴するものであり、対中牽制上わが国の国益に資することだ。

 

2点目は5月24日(月)から始まった、自衛隊によるワクチン大規模接種センターの運営。東京、大阪それぞれの会場で接種件数、予約件数、そして会場の様子や運営方法について報告があった。運営上当日現場では残余ワクチンは発生してしまうため、余った場合の有効活用方法について、民間看護師、センターに勤務する自衛隊員など関係者ごとに優先順位付けが成されている。報道では自衛隊によるワクチン大規模接種センターとして伝えられているが、東京会場約650人のうち約380名、大阪会場約480名のうち約310名のスタッフは民間人であり、官民の混成チームで運営しているのが実態である。これは自衛隊にとって、民間人を指揮系統に入れて行う大規模作戦であり極めて画期的な取り組みである。ワクチン接種が終了した後には様々な課題が報告されるだろうが、同時にわが国、そして自衛隊にとって今回の経験は大きな資産にもなりうる。

 

最後にワクチン接種については、国防、災害派遣など待ったなしの任務に従事する自衛隊員へのワクチン接種を先行すべきとの決議案について、党から文案が示された。細かい文言についての指摘はあったものの、大きな方向性に異議は出ず、大塚国防部会長に一任した上で会議は終了した。