本日、自民党本部で外交部会・外交調査会合同会議を開催した。議題は以下

 

1.前回会議における政府未回答部分の回答

2.ソウル・釜山市長補欠選挙

3.北朝鮮の東京五輪不参加表明

 

まず、始めに前回の合同会議での尖閣情勢に関する部分で、明確な回答を得られなかったものについて説明が行われた。

 

外国公船に対する危害射撃について。海上保安庁から説明が行われ「事案は個別且つ総合的に判断する」とし、領海侵入する外国政府の船が退去要求に従わない場合、海上保安庁法20条に基づき(警察職務執行法7条に準ずる、重大凶悪犯の逮捕含む)、国際法に違反しない範囲、比例原則のもと、危害射撃を行えるとの回答。

 続いて外務省から、この危害射撃は、国連海洋法条約25条に基づき、国際法に違反する公船に対しては、比例原則のもと、限定的に可能であると説明が行われた。

 

また、海上保安庁が対応している状況で、「中国海警船の方が尖閣諸島に近い場所にいるのではないか」という質問に対し、現在は、中国海警船を上回る巡視船を配備しており、現場の巡視船はレーダーで海警船の位置を把握しており、海上保安庁本部でもリアルタイムで動きを確認している。ビデオも確認したが、その様なことは過去に一切無かったとのことで、中国海警船よりも多い海保巡視船が、役割分担し漁船と島を守っているとの説明が行われた。

 

出席議員から「上陸された場合、どの組織が島を取り返すのか」と政府に対する質問が出た。それに対し、内閣官房から「海上においては、一義的には海上保安庁が対応、困難な状況であれば自衛隊による海上警備行動や治安出動を行う。武力攻撃事態と認定されれば防衛出動が発令される。」と説明が行われたが、参加議員から「理屈上はそうだが、現実は様々な事が予想される。事態認定も手続きがいろいろある。想定外を作らないよう各種状況を想定した関係機関での訓練を行うべきである」と指摘する意見が出された。

 

また、「海上民兵は、軍人か民間人か」という問題について、外務省から説明が行われた。中国国防法では、「武装勢力は、人民解放軍、武装警察、民兵からなる」とされ、ジュネーブ条約による軍隊の定義で「軍事指揮機能の下で組織行動を行う者は軍隊の一部」という定義に照し合せると、民兵が軍事組織の指揮の下で動けば軍人とのことだ。

 

次に、ソウル市、釜山市の補欠選挙について外務省から説明が行われた。これは、大統領選挙を除いた選挙では節目となるものであり、ソウル、釜山両方で野党が勝利したことは文政権への審判を意味する。

 

次期大統領選挙への影響は、未だ野党の候補者が決まっていないため、読めない。

 

参加議員から「野党とのパイプ作りが重要である」と政府に求める意見が出た。

 

最後に、外務省から北朝鮮の五輪不参加表明について説明が行われた。

朝鮮半島において、韓国は今後政局に変化が出てくるだろう。また、北朝鮮の五輪不参加表明は、日本が経済制裁延長を決定した同日に表明されている。引続き、情勢を注視していく。