先月27日にミャンマー国内で起こった軍によるデモ隊への発砲事件では、100名を超える犠牲者が出た。軍が持つ銃は、国民を守るためであり、国民に向けて発砲することは言語道断。

 

この看過できない状況を受け、外交部会・外交調査会は、民間人への暴力停止などをミャンマー国軍に求める非難決議を取りまとめ、茂木外務大臣と加藤官房長官に申入れた。

 

外務省は暴力の停止、拘束者の解放、民主プロセスへの復帰を、一纏めに求めているが、これでは弱い。最も強調すべきは国民への暴力の即時停止である。

 

暴力停止を求めた上で、次に大切なことが、「民主化プロセス復帰」と「国軍を中国へ追いやらない」という二つの連立方程式を解くことである。

 

わが国はG7の中で唯一、国軍のアウンサンスーチー氏側との双方にパイプを持っているため、これを活かしての圧力と対話による政策変更を求めるアプローチが重要である。例えば国軍関係者の国内資産凍結やビザの発給停止等の効果が少ない「小さな制裁」ではなく、人道的支援を除いたODAや日本主催の日メコン首脳会議等国際会議、新規の防衛交流等をテコにした「強いメッセージ」の方が効果的だ。

 

また、現地の日本企業は安全に留意しながら頑張っている。空白をつくると中国に付け入る隙を与えるため、邦人の安全確保を軍に要求すると共に、帰国を促し、邦人保護に万全を期さなければならない。