先日の国防議連に続き、「尖閣の有効支配強化策提言」の警察力、行政力分野における政府取組みを確認、議論した。

 

関連する全ての省庁(内閣官房、内閣府、防衛省、国交省、警察庁、水産庁、出入国管理庁、外務省、厚労省、総務省、環境省、経産省)が参加し、それぞれの項目毎に進捗が報告された。

 

海上保安庁からは、無人機の実証試験や米コーストガードとの共同訓練等の調整が進んでいるとの報告があった。海上保安庁の説明では、グレーゾーン事態に現行法で対応可能とのことであったが、多くの議員からは武器使用、特に危害許容要件の制約に疑念が出された。また約2500億円(補正含む)の予算では限界があり、法改正した中国海警には装備、法律、共に対応が非常に困難である。また、沖縄県警の国境警備隊は、議連提言の後押しで陸自による教育訓練支援に進展があったとの報告がなされたが、人数及び装備の増大は現状に追い付けていない。

 

行政力は、石垣市に主権展示館常設調整を除き、全般的に、提言を提出した昨年10月から大きな進歩が見られず、参加議員から「遺骨収集の為の情報収集に本気で取組んで欲しい」「上陸しての環境調査や灯台の設置などは問題なくできるはずだが、なぜ行わないのか」等、政府の取組が遅れていることを強く指摘する意見が数多く出た。

 

また、地元国会議員から「尖閣に石垣市登野城尖閣の字名標柱を立てるにはどうしたら良いのか」政府に求める意見が出たが、出席していたどの省庁からも返事が無く消極的な姿勢が露呈された。

 

この様な現状の根底には、民主党政権時に作られた政府の「平穏かつ安定的な維持及び管理」という方針が残っている。それを未だに変えられていないのは政治の責任である。海上保安庁、警察、そして自衛隊は現場で「命がけ」で職務を遂行しているのに、政府がやるべき事をやっていないのは問題。一刻も早くこの状況を変えなければならない。

 

来週は有識者を招き、領域を守ための現状の問題点、法整備の方向性等について議論を行う予定である。