本日13:30から、2月13日深夜に発生した福島県沖を震源地とする地震(最大震度6強)に関する災害対策特別委員会が自民党本部で開催された。

 内閣府、気象庁、国交省、経産省および防衛省などから地震の概要、被害状況および災害対応などが説明、報告された。2月15日午前の段階の主な被害状況は次の通り。

 

1.       人的被害:負傷者152人

2.       交通

(1)常磐自動車道:相馬IC~亘理IC間が土砂崩れのため上下線とも通行止め

(2)東北新幹線:那須塩原駅~盛岡駅間が高架橋や架線柱の損傷などで運転見合わせ(復旧には10日前後かかる見込み)

3.       生活インフラ:福島県内の約2000戸で断水・水の濁りが発生

 

 また、福島県および宮城県の震度6弱以上を記録した地域では建物の一部損壊やブロック塀の倒壊、石灯篭や墓石の転倒といった事例が多数あるほか、宮城県の仙台港では護岸の一部が変形し、福島県の相馬港では岸壁に約100mに渡る10cm程度の段差が出来たとのこと。揺れの激しかったことがよく分かる。

 

 この地震に際して防衛省・自衛隊は発災直後から航空機による上空からの情報収集を実施し、合わせて5県55市町村に連絡要員を派遣、被害状況の確認を行った。

 結果、実施された災害派遣は福島県新地町および天栄村で発生した断水および上水道の濁りに対する給水支援の2件となった。

 今回の地震を通じて意外に感じたのは、地震の規模の割には被害の規模が比較的小さくて済んだことだった。被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げるが、これだけの地震で死者が出ず、建物の全壊被害も報告されていないというのは驚嘆に値する。国民の皆さんの不断の備えや政府の国土強靭化政策が奏功した結果だろうか。

 

 また、コロナ禍での避難についてトピックを一つ。

 福島県相馬市では避難所内に多数のキャンプ用テントを設置し、家族単位でそれを割り当てたが、これにより感染対策(密の回避)とプライバシーの保護が両立し、避難者からは「震災では雑魚寝だったが、それに比べると格段に過ごしやすい」と好評であったとのこと。今後の参考になりそうな事例だ。

 

 東日本大震災の10周年の節目まで1カ月を切った段階での今回の地震、「天災は忘れたころにやってくる」という啓示か。

 震災の記憶と教訓を風化させず、「災害は忘れる前にやってくる」が持論の佐藤も改めて気を引き締め、国民の生命と財産を守り抜いていく所存だ。