昨日に続き、自民党本部で外交部会を開催した。議題は以下の通り。

 

①米国大統領選挙等

②朝鮮労働党第8回大会

③中国国防法の改正

④香港情勢(元立法会議員を含む民主派関係者の逮捕等)

 

まず、外務省から米国大統領選挙の状況について説明があった。今月6日、連邦議会が各州の大統領選挙人票を開票した結果、ペンス副大統領(上院議長)の議事進行の下、バイデン/ハリス両候補の当選を認証した。20日に予定通り就任式が挙行される予定である。

 

一方、結果確定に至るまでの間、一部のトランプ大統領支持者による連邦議事堂への侵入により審議が一時中断。暴動による混乱で死亡者が5名出る事態となった。トランプ大統領の罷免を求める声が増す中、下院では大統領の職務不能が可能となる修正25条の審議が進められているが、ペンス副大統領は否定的なため、弾劾訴追の動きが下院で強まる見通し。ただ、1月20日以降の前大統領の弾劾に関しては、法的問題含め、種々の意見がある。肝心のバイデン氏は、20日以降は弾劾よりも「コロナ対策と人事に集中したい。」とコメントしている。

 

暴動を受け、チャオ運輸長官、デボス教育長官、ポッティンジャー安保担当次席補佐官などが辞任。また、ジョージア州の上院選挙の決選投票でも民主党の新人候補が2議席を確保。今後は、バイデン次期政権の閣僚に続き各省庁の高官人事が注目される。外務省は、様々レベルで関係構築に努める必要がある。

 

 

国会議員からは、「対中外交をどのように進めるのか?トランプ政権時代は、台湾に対する強い支援を行っていたが、今後はどのようになるのか?」と質問があった。

外務省からは「今までの対中政策は重要な部分が多かったので、その部分は継続できるように働きかけを行っていく」と回答があった。

 

また、「菅総理の情報発信が大切である。独メルケル首相は、今回の暴動やトランプ大統領の対応を批判すると同時にトランプ大統領Twitterアカウント凍結等に関しては表現の自由との関係ではっきり反対と、コメントしている」「暴動後、トランプ大統領のTwitterが凍結された。それに加え、Amazonやアップル、GoogleなどがOS等を使用させない等の対応をとった。一企業がこのような対応を取るのは問題。これらの事態を踏まえて、わが国もIT戦略の見直す必要がある」との意見が出た。

 

次に、北朝鮮の労働党大会について説明が行われた。

5日から12日まで朝鮮労働党の最高指導機関である第8回党大会が5年ぶりに開催された。金正恩委員長は、「党中央委員会の活動総括」の報告を3日間実施。また、金正恩委員長を朝鮮労働党総書記に推戴する等の人事を発表。党大会を5年に一回招集することなどを明記した党規約改正を実施。核・ミサイル関係では、1万5000㎞射程圏内の命中率向上や、多弾頭個別誘導技術の研究、原子力潜水艦及び水中発射の核戦略兵器の保有等の目標が示された。

外交においては、南北関係、米国を追従しないように南に融和的対応を求める姿勢が出ている。

 

国会議員から「拉致問題に関しての状況はどうなっているのか?」との質問に対し、外務省から「日朝関係に関して言及がなかったが、あらゆる機会をとらえて対応していきたい。」との回答があった。

また、「朝鮮幼稚園に一人2万円の補助が出るが、北朝鮮に間違ったメッセージとしてとらえられないようにする必要がある。」と政府に求める意見が出た。

 

次に、中国国防法の改正について説明が行われた。

 

 

 

第2条の発展利益は定義が曖昧である。軍の運用範囲が拡大される恐れがある。また、第4条から習近平思想が明確に表れている。

第22条では人民武装警察の任務に海上権益が含まれている。海警局の動きや海警法案の審議に影響する問題である。

 

国会議員から、「中国で2名のスパイ容疑の邦人の刑が確定したというのは本当か?」との質問が出た。外務省からは、「2審性であるため、上告が棄却されたので、確定したことになる。」との回答があった。

 

最後に、香港問題について説明が行われた。

6日、香港警察は、2020年立法会選挙に向けて実施された民主派予備選挙に関し、国家安全維持法の国会政権転覆違反の疑いがあるとして、元立法会議員、現職区議会議員を含む民主派53人を逮捕した。

これは民主主義の原則に照らして大問題である。

 

国会議員から、「米国は制裁を行った。制裁が必要でないか?」と政府に求める意見が出た。

 

今後も佐藤は、外交部会長として、米国、中国、北朝鮮の動向を注視しながら、政府に対応を求めていく。