昨日の参議院外交防衛委員会での質問で、岸大臣の耳に大事な情報が入っていないことが判明。これでは、陸上イージス配備停止の検証教訓を生かされていない。

 

昨日の議事録と資料をご覧ください。

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○委員長(長峯誠君)外交、防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。

○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。

まずは、茂木外務大臣、再びの外務大臣、おめでとうございます。そしてまた、岸防衛大臣、参議院のOBとして、またこの当委員会のOBとしての防衛大臣就任、本当におめでとうございます。

ただ、最初に実は苦言を呈しないと与党の理事としていけません。

先ほど理事会でもありました。防衛省から、イージス・アショアに係る経緯、この報告が理事会でありました。実は、午前中、衆議院の安保委員会の方の理事会の方でこれが説明があった。その際、これは非常に分厚い資料ですから、事前に衆議院の理事の方には説明があったと。ところが、参議院のこの理事会メンバーの方には説明がないと。どう考えても、参議院軽視という批判があっても仕方がない。

非常に大事な案件を報告するのであれば、事前に衆議院の方で説明したと同じような形で参議院の方でもやっぱり説明すべきだと思います。ましてや、この委員会というのは、外交と防衛両方の法案や条約が来て、議論をし、特に政府の方が承認あるいは可決をしてほしいという要望の下で、理事会の方で委員会運営をするわけです。そういう中において、衆議院の方だけ説明して、こちら、参議院の方は説明しない、これはどう考えても私はおかしいと思いますし、これは事務方が大臣をしっかり支えていない証拠だというふうにも言わざるを得ません。

大臣の御見解をお伺いします。

○国務大臣(岸信夫君)どのような経緯があったか詳細には存じ上げませんが、引き続き、委員会の皆様とはしっかり連携を取れるように、そして議論が深まるように、しっかり連携をしてまいります。

○佐藤正久君 事務方から説明がないということ自体がおかしいと思います。

この件については、もう昨日、事務次官の方にも懸念を伝えております。報告が大臣の方にないということ自体が、今回のイージス・アショアのこの経緯を踏まえてもおかしいと私は言わざるを得ません。我々も、政府の意図を受けて、野党の方と調整をしながら、何とかこの委員会運営を円滑に、円満に、公正にやろうと努力している途中ですので、防衛省の方もしっかりそれは対応してもらわないといけないということをまず最初に苦言を強く呈させていただきたいと思います。

その関係で、若干質問を変えて、このアショアに関して最初に質問をさせていただきます。

大臣、この報告書にあるように、ブースター、ブースターの落下の問題、これが今回停止の一番の大きな問題になったということでありますけれども、なぜ、今年の1月頃にこのブースターの落下の問題、これは思うとおりにいっていないと、当初の説明と違うということが、担当の方でそういう情報をつかみながら、約半年間、大臣の方に

 

この報告がなかったのか、この原因について大臣はどのように御認識されているでしょうか。

○国務大臣(岸信夫君) 今委員御指摘の点でございますが、本年の早い時期に、防衛省が想定していたブースターの落下に関する安全対策を実現するために、イージスシステムのソフトウエアの改修のみでは不十分なおそれがあると。そして、SM3のハードウエアを含めてシステム全体の改修が必要ではないかという懸念が生じました。

防衛省においては、従来より、ソフトウエアの改修をもってブースターをむつみ演習場内又は海上に落下させるための措置をとれると、とると考えていたところでありまして、担当部局においては、これが実現できるための他の方策を本当に追求できないのか、議論の前提となっている技術的な事項などについてしっかり確認をする必要があると考えましたから、米側と協議を更に進めるということにしました。

その後、5月下旬に、ソフトウエアのみならずハードウエアを含めてシステム全体の大幅な改修が必要となりまして、相当のコストと期間を要することが判明いたしましたので、六月三日に防衛大臣に一報したところでございます。

本年の早い時期に大臣に報告すべきではなかったかという御指摘につきましては、私自身としても、事業そのものに重大な影響を与える可能性がある情報ほど不確定であっても早く上げるべきではないかと考えております。そのため、報告の在り方も含めて仕事の進め方に係る課題でありまして、これを改善していく必要があると、このように考えたわけでございます。

なお、本件は防衛省全体における仕事の進め方の課題でありまして、本年9月に河野大臣から事務次官を通じて省内に対して業務上の指導がなされたところでございます。私としても、防衛省全体として取り組むべき課題であると認識をしておりまして、厳しい御意見を真摯に受け止めたいと

考えております。

○佐藤正久君 大事な情報が上がっていないということは非常に問題で、これ民間であれば、大事なプロジェクトにおいて大きなその変更を要するような事項があれば、それを速やかに報告しないとプロジェクト自体が止まってしまう。普通ならばこれ処分ですよ。しかし、処分もなされないということに私も一つ懸念がありますし、統幕長経験者も、これは自衛官なら大きな処分になったのに何で処分されないんだという意見もあるということはしっかり大臣の胸に止めておいていただきたいというふうに思います。

実は、昨日、秋田県選出の国会議員から防衛省に対して、この今検討している洋上案のうちリグ形式についてはブースターの落下、2段、3段目のブースターの落下について大きな懸念があるということを伝えたようです。これ、大臣の方にはその報告上がっていますか。

○国務大臣(岸信夫君) 済みません。ちょっと質問の意図がよく分かりませんでした。

○佐藤正久君 昨日、秋田県選出の国会議員から、今検討している洋上案のうちリグ案、リグ案についてはブースター落下の問題、これについて大きな懸念があると、2段目、3段目について防衛省の方に伝えたと。そういう懸念というものは大臣の方に伝わっていますか。

○国務大臣(岸信夫君)済みません。その件については承知しておりません。

○佐藤正久君 そういうことがやっぱりこのブースター事案、この報告書の反省が生きていないということなんですね。

要は、防衛省の中の内局の横の連携、これが悪かったと、一部の担当部署、戦略企画課が中心にやってしまって内局内の横の連携が悪い、また装備庁とか、あるいは各幕との連携が悪いというのがこの教訓なんですよ。そこがまた同じことを大臣の方に上げていないと。これは大きな話であって、なぜ前の河野防衛大臣が自民党の部会で謝罪をし、涙ぐんだか。そういうこともそこに同席していた防衛省の幹部は見ているわけですよ。そういう流れがないとまた同じ失敗をしかねないと。

実は私、外務副大臣当時、中東に出張する際に羽田空港の方にいたときに、夜中の24時頃ですよ、秋田県会議員から電話掛かってきて、すごく怒っていました、ふざけるなと。なぜ明日、知事と市長の方には説明来るけれども、議会の方には全く説明がないと、県有地とかあるいは商業高校、県立関係のを移すのであれば当然議会の方も関係あると。これは普通、私も演習担当をやっていましたけれども、地元調整やったことがある部署やそういう各幕であれば、知事に説明するんだったら議長の方にも説明しますよ。そういう横の連携が悪いのがまだ全然直っているというふうには今の話聞いても思えないんですよ。そこは是非とも風通ししっかりやらないと、同じ失敗またなりますから、この教訓が全然生かされていない。

要は、処分がされないから、場合によっては、今まで契約したそういう装備品を使い回すことが自己目的化しかねないんです。何としても自分のその失敗を取り戻すために今ある契約品をそのまま使い回しする、これを目的化してはいけないわけで、大事なことは、新しい安全保障環境の中で、ミサイル技術の進展の中でいかに国民を守るかということが一番の目的ですから。まさか、今まで契約している装備品を使い回すことを自己目的化してはいけない、その認識は共有できると思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(岸信夫君)その何ですか、自己目的化という部分についてはもちろん共有するところです。持っておるアセットを有効に使うということは、これはこれで必要なことだと思っています。

○佐藤正久君 自己目的にしちゃいけない。ただ、使えるなら使う、それは当然です。この資料1を見てください。

今配付した資料1、これは防衛省の自民党国防部会へ提出された資料から抜粋したものです。9月24日に、いろいろ検討した結果、今まで契約しているアショアの構成品を移動式の洋上プラットフォームに搭載し洋上に配備するという方向で検討するということが説明ありました。

ところが、その2週間後の16日に国防部会の

方に防衛省が提出した資料がこのSPY7とSPY6の比較です。陸上から洋上に移動すると言ったにもかかわらず、この比較は陸上レーダーの比較を出してきているんです。大臣、分かりますよね。洋上の方に移動すると、洋上案と言っておきながら、二週間後に出てきたこの資料は陸上レーダーの比較の表を出してきているんです。

これ、また同じ、グーグルアースの二の舞になりますよ。洋上であれば、洋上レーダーとしての比較をしないといけないにもかかわらず、二週間後にこのレーダー表を出してきてSPY7がいいんだと。これ、あくまでも陸上レーダーの比較ですから、当時の選定時の。そう説明がありました。

洋上に移動、載せた場合、当然、陸上と違いますから揺れ補正もしないといけない、塩害補正もしないといけない、あるいは海面の照り返し、照り返しのそれを防止する、いろんなことが変わってくるわけですよ。しかも、これはあくまでもBMD専用レーダーとしての比較ですから。洋上の方で、陸と違って洋上に出して、自己防護機能としてBMDに対空戦闘機能を付加すれば、また評価が変わってくるわけですよ。あのグーグルアースのような、ああいう素人的な比較、これは絶対おかしいと思いますよ。何でこういうのを出してきているか。

大臣、例えば、ここに連続運用性とありますよね。一番上に、連続運用性。説明は、例えば、このSPY7は4万時間、SPY6は480時間と、だからこのSPY7がいいんだと。大臣、これ聞いておかしいと思いませんか。4万時間と480時間、こんなに差があるレーダーを米海軍が今から45隻に入れるということ自体がおかしいですよ。前提が違う。私は理系です。理系の方で、実験どきに教授から、三浦先生も防大教授ですけれども、実験で前提条件が一番大事なんですよ。前提条件をしっかりやらなければ比較にならないんですよ。4万対この480、普通、聞いておかしいと思うのが普通ですよ。

これ、ずうっとレーダーを出し続けて、壊れるのは4万時間かもしれない。片や、これはSPY6は米海軍が採用しているレーダーですから。米海軍のレギュレーションというのはありますから、そうなれば、整備期間というので、この480が出ているのかもしれない。こんなにレーダーで連続時間が違うはずがないし。

また、この探知距離や高度についても、これはこのSPY7というのはBMD用のレーダーなんですよ。このSPY6は、これはIAMDと、つまりBMD、弾道ミサイルと、そしてまた対空戦、巡航ミサイルや戦闘機、あるいは水上艦艇、そういうものに対して全体を守るためのレーダー、これは洋上レーダーです。これ、SPY6は洋上レーダーで、これはマルチなやつなんです。このSPY7はBMD用の陸上なんです。BMDでずっと一方向に出すものとマルチで全体を覆う、これを同じ比較しないと意味がなくて、このSPY6の方も同じようにBMDだけずっとやればそれは能力違ってくるに決まっていますから。本当にこの前提が合っているのかと。

しかも、ここに経費とありますよね。より安価で、5%、SPY7の方がいいと言っていますけれども、本当ですかという部分。これも、例えばこれが洋上の場合、さっき言った洋上に置いた場合は付加機能が必要になるわけですよ、付加機能が、陸上と違いますから。そうしたときに、やっぱりそういうものを、経費を加算しないといけませんし、しかもここには試験が入っていないんです。試験入れていないんですよ、これ、わざと。そういう比較をやってしまうと、また同じ失敗をやらないといけない。

岸大臣は、今回の選定に当たっては公正に客観的にやると言われています。公正、客観にこれを比較するという方針は今後とも変わらないということでよろしいですか。

○国務大臣(岸信夫君) まず一つは、イージス・アショアの代替案に関して、今のところ、その洋上プラットフォームに載せるということですけれども、具体的に何にするかについては決まっているものではございません。いずれにいたしましても、イージス・アショアの構成品を移動式の洋上プラットフォームに搭載する方向で利点、欠点を含めた移動式の洋上プラットフォームに係る運用構想及び要求性能を検討してまいります。そして、米政府や日米の民間業者を交えて技術的実現性等について確認、検討した上で適切なプラットフォームを決定してまいりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。

SPY7を含みます現在契約しているイージス・アショアの構成品については、2018年に実施した選定プロセスの中で、他の候補となっていた構成品と比較しても、基本性能、後方支援、経費、それぞれの面で優れていると評価された最新鋭の装備でございます。特にSPY7はより広いより高い高度において目標を探知可能で、また同時に多くの目標を追尾できる、ロフテッド軌道のミサイルや同時発射された複数のミサイルへの対処能力の向上も図ることができるため、我が国のニーズに適合したものであると、このように考えておるところでございます。

いずれにしても、先ほどおっしゃられたように、しっかり公平、公正という考えでもって今後決めてまいります。

○佐藤正久君 今説明あったのは、これ陸上レーダーの比較の話なんですよ。で、これ洋上レーダーで比較するということについては、これは同意されますよね。洋上レーダーとして比較するということについては同意されますよね。

○国務大臣(岸信夫君) 失礼しました。

委員のおっしゃるとおり、SPY6は元々洋上と、そしてSPY7の前提としては陸上ということで比較をしたものでございますけれども、これもSPY7を洋上に持ってくるということを前提に比較検討をしてまいりたいというふうに思います。

○佐藤正久君 当たり前なんですよ。防衛省は洋上プラットフォームに搭載しと言っているんですから、洋上レーダーとして比較しないといけないわけで。

そこで、例えばその経費についても、やっぱり国民に対してトータルコスト、トータルコストを示さないと、これは非常に高いものですからトータルコストを示すこれは説明責任があると思いますけれども、大臣のお考えをお聞かせください。

○国務大臣(岸信夫君) 現時点では、代替案を決定し、具体的な内容を固めるには至っていないことから、代替案に関する、要する経費や運用期間においてお答えすることは困難でございますけれども、今後、イージス・アショア代替案を決定し、経費等について精査をした上で、適切な時期に国民の皆様に丁寧に御説明をしてまいりたいと考えています。

○佐藤正久君 これはできたら、防衛省の説明だと三十年以上使う装備なんです。しかも、トータルコストが何千億と掛かるというふうに言われていますから、これは、今三点を見ても、やっぱりここは大臣言われたように、国民にやっぱり説明しないとこれはいけないと思います。その中で、ここに、経費の中にこれ試験が入っていないんですよ、試験が。

一枚めくってください。この資料2。

これは、このSPY7型のレーダーのLRDR、これアラスカにあるようなこういう大きなもの、これをSPY7型に小さくすると。大体一辺が5メーターぐらいのものがSPY7です。小さくする。小さくすると能力は当然小さくなるに決まっているんですよ、レーダーですから、素子が少なくなりますから、大きさ小さくすれば。SPY6は一辺が四メーター。こういうものを洋上でやっぱり比較しないといけない。洋上の場合、仮に船に載っける場合、5メーターを載っけるのと四メーターを載っけるのでは船の大きさが違ってくるんですよ。当然、大きなものをレーダーそのまま載せようと思えば、それは船が大きくなりますから、それに対するいろんな附帯する装備も大きいものが必要になる。これは理系の人間ならすぐ分かる話で。

そういう、実際に洋上に載っけたときに、今の陸上のこの5メーター、5メーターのものをそのまま載っけるのか、あるいは若干小さくしてSPY6のように4メーター、4メーター、アメリカ海軍のイージス艦のように載っけるのか、これによっても能力が違ってくるんです。当たり前の話です、大きさが小さくなれば。また、小さくすればまた経費が掛かるんですよ、今契約しているものと比べて。

さらに、じゃ、3ページ見てください。3ページは、これ米海軍関係の資料なんですけれども、これがSPY6のシリーズです。SPY6の方で、これV1とかV2とかV4とか、それぞれこのモジュールの大きさによってこのレーダーというのは変わってくるんです。大臣、分かりますよね、レーダーの大きさによって変わってくると。この資料3です。

そのレーダーというものに基づいて米海軍はいろんな船に今SPY6を載っけると。空母あるいはイージス艦や、あるいはそういう揚陸艦等、いろんなものに大きさを変えてこのSPY6を載っけると、こういうシリーズになっているわけですよ。そういう中で考える。この資料4見てください。

資料4の上の方は、防衛省が国防部会の方に出してき洋上プラットフォームの一イメージです。リグの方でやる、あるいは商船の方にその構成品を載せる、あるいは護衛艦の方に載せると。こういう洋上プラットフォームで今比較検討しているというのは防衛省の説明です。資料4の上の方。

で、この下の方は、前のこれ委員会でも出しましたけれども、これは米海軍の資料です。これは新しいイージス艦、SPY6を載っけたV1型のを載せたもので、これはポイントは、弾道ミサイルと対空戦、水上戦、ポイントはそれを同時に実施なんです。

なぜ同時に実施かというと、防護性の観点です。それで、今までも北朝鮮対応のミサイルでイージス艦が対応していました。イージス艦というのは防空能力高いです。ずっと三百六十度回るレーダーをミサイル対応でずっと一方向に指向すれば横が見えなくなるんです、横が、昔のタイプは。そうなると、見えないときに北朝鮮の戦闘機が近づいてきている、あったんです。だから、イージス艦を守るためにもう一隻護衛艦が必要だったんです。やられてしまいますから。だから、そういうことを避けるために、米軍の方は、一隻で守るために弾道ミサイルとこういう巡航ミサイル、戦闘機、また水上戦というものを同時に実施するというのがこの新しいイージス艦なんです。

例えば、この上の方の移動式のリグありますよね、リグ。リグ、これは、この前の国防次官、アメリカのルード国防次官も議連の講演で言っていましたけど、こういう固定式のようなこういうものは非常に生存性が悪いと、狙われやすいという話があります。この商船のようなものを、あるいは護衛艦であれ、BMD専用であれば、防護性というために、それを守るためにもう一隻必要になるわけですよ。

大臣、このリグの方にちょっと話、防衛省がせっかく出していますから、リグの方に言うと、例えば、リグを沿岸の近くに置いて、そこから、そこに陸上自衛官を陸地からはしけの方で乗せて、そしてこの陸上近くの方に防空部隊を、対空部隊を置いて、これを護衛するという案も検討されたと聞きました。だけど、陸地の近くだと、今度、ブースターの、第二段、第三段のブースター問題があると。これは報告受けていますよね。

○国務大臣(岸信夫君) ブースターの落下場所について、これまでなかなか限定できなかったということは聞いておりますので、一方で、陸地についてこれまでもいろいろ探してまいりましたけれども適切な場所が見付からなかったと。こういうことからして、陸地のそばにもしリグを置くような前提であれば、この落とし場所がまた難しいということは想定ができると思います。

○佐藤正久君 大臣、実はこのミサイルというのは、ブースターは三段式なんです、三段式。なので、今回断念になった問題は、ブースター、一段目のブースターだけなんです。このミサイルというのは三百六十度飛んでいきますから、例えば、山口の方に配備したもの、で、大阪の方に北朝鮮から三発飛んできた場合、一発目は日本海の方に行きますよ。でも、二発目、三発目の北朝鮮のを落とすために、今度は一発撃ったら二発目が横、三発目は斜め後ろにって落とすんですよ。そうなると、二段目、三段目のブースター問題が出てくるんです。沿岸の近くだと。

だから、うちの議連の方でも、これは非常に難しいと、三百六十度飛びますから。だから、ある程度、洋上に、沿岸から離さないとまた同じ問題が出てくるんです。

なぜ山口と秋田に置いたかというと、二つで防衛省が北海道から沖縄まで二十四時間三百六十五日、これを守ると。そのためには山口とか秋田の辺りに置かないと全部カバーできないんですよ。これを今度洋上に置くと、本当に二十四時間三百六十五日追求するのであれば、その沖合の方に置かないといけない。これが沿岸近くであれば、沿岸近くであれば、例えば秋田であれば、東京に向かうのを落とすとすると、また秋田の南部、あるいは山形の方に落ちるんですよ。札幌の方に行くやつを落とそうとすると、秋田とかまた青森に落ちる可能性あるんですよ。飛びますから、三百六十度飛びますから、元々そういうものですから。

山口であれば、大阪に向かうのを落とそうとすれば、島根や広島、山口へ落ちる可能性あるんですよ。だから、秋田の選出の国会議員がこのリグについては懸念を示したんです。なぜ河野大臣が涙流しながら謝罪したかという部分にも関係すると思いますけれども、そういうことをやっぱり下から役人は大臣の方にやっぱり説明しないといけない。

非常に大きな問題になりかねないので、昨日、そういう防衛省の人間に説明したと、大臣の方に上がっていない。これはまた同じ、このアショアの経緯と同じ問題をまた繰り返すことになると思いますよ。

大臣、このブースターの、今、二段、三段の話を私言っているんです。一段目じゃないんです。二段、三段目について、どういう説明を事務方から受けているか、お答えを頂けますか。

〇国務大臣(岸信夫君) まずは、その洋上のプラットフォームについてはまだ決まっておるものではございませんので、これからしっかり検討していかなければいけないわけですけれども、あえてその一般論で申し上げるならば、この迎撃ミサイルの二段目、三段目のロケットの落下位置については、風などによる気象状況、弾道ミサイルの飛翔航路、迎撃ポイント及び迎撃ミサイルの発射地点等によって大きく変わってくるものだというふうに認識しておりますので、確定的にお答えすることは困難であると考えています。

〇佐藤正久君 大臣ですね、この日米共同開発したこのブロックⅡAというのの一番のメリットは、複数回射撃ができるというのがこれがメリットなんですよ。今までみたいに、ブロックⅠのように一回ではなくて何回でも撃てると、三百六十度、これが売りなんですよ。

だから、今回、北朝鮮からまあ三発撃ったときには、ぴんぴんぴんって、で落とすというのがもともとの売りなんです、開発の。だから、二段目、三段目を考えると、陸上から沖合に出すんだったら、洋上に出すんだったら、今までのように、洋上、沿岸から離さないとまた同じ問題が出てくるんです。

 自衛官というのはなかなか、私もそうでした、政治に興味ありませんでした、正直言って。全然テレビも新聞も読みませんでした。でも、そういうことってやっぱり自衛官はわからないんです、運用のことしか考えませんから。地元調整がどうだ、今までの経緯でなんでこうなったと、余り知らないんですよ。そういうのはしっかり内局の方と幕の方が調整しながら、そういうことも考えてトータルでやらないといけないと。だから、公正、客観的にいろんな観点から、自己防護性とか地元調整とか、そういうのをやらないといけないんです。

そして、大臣、先ほど試験の話を言いました。

私は、ハワイのカウアイ島に行って、このミサイルの迎撃施設、米海軍等が使っているのを見てきました。あるのは、米海軍用のSPY6。SPY6用のレーダーと、そのイージスシステムと発射装置、これ有線でつないでいるものです。SPY7のやつってないんです。

今度、日本が実は初めて洋上プラットフォームにこのSPY7型のレーダーを、しかも、それも自己防護性高めれば、BMDと対空専用、これ一緒に併せるのは初めてですから。カナダとかスペインは対空戦闘だけ、BMD機能ありませんから。

カナダとかスペインのあの船は対空戦用だけ。で、ハワイとかアラスカは陸上なんです。日本が初めて、独自にこれからこの洋上のものにSPY7と、場合によっては対空戦用というのを載せるという場合は、実験しないといけないんです。

 実は、このSPY6は、もう 十五回、十五回ですね、実目標を飛ばして、レーダーを当てて、そして不具合事項というものをデータを取って、システムとやり取りしながら合わせて、そしてこれを発射機の方としてやっているんですよ。まだSPY7は、実目標、そういうミサイルとか飛行機飛ばしてまだ当てていませんから、実験場だけですから。だから、これをやる場合、SPY7をやる場合はハワイとかどっかで実弾試験をやらないと、国民に自信をもって防衛省が守るということ言えないんですよ。

 何で今回の比較表の中にその試験の部分を外しているのか、これは実弾試験というのは極めて大事なポイントだと思いますけれども、大臣のご見解をお伺いします。

〇国務大臣(岸信夫君) まず、いずれにいたしましても、このイージス・アショアの代替案の検討につきましては、米政府や日米の民間事業者を交えて、SPY7を含めたイージス・アショアの構成品について、陸上で運用されるイージス・アショアで予定していた能力が洋上プラットフォームでも発揮できるかどうか、搭載自体に技術的な問題が生じないか、改修が必要となるかどうか、必要な場合はどのような内容になるか等について検討、確認、検討を行っているところでございます。

それで、実験のコストについては、実射試験を含めました各種試験の在り方については米政府側と引き続き議論を実施していく予定でございますが、いずれにいたしましても、適切な形で能力、性能の確認を行っていく考えであります。

○佐藤正久君 大臣、トータルコストといった場合、設計、大臣いいですか、設計、開発、そして試験、配備、整備と、でトータルなんです。そこで、結構お金を占めるのが試験なんです、試験なんです。当たるか当たらないか分からないものを国民の税金で何千億も掛けて整備できないんです。実際にその試験できるのはハワイしかないんですよ。このリグ、例えばリグ、どうやってハワイまで持っていくんですか。それも、まず、つくる、つくり込む前にまずレーダーがしっかりそれを捉えて、実目標を捉えてシステムの方と連動するかというものが、目標把握が一つ、伝達が一つ、次に、そこまでシステム改修が終わった後に、今度は実際にその得た情報に基づいて発射装置から弾を出して当たるかどうかと、いろんな試験が必要なんです。このSPY6の方は、米海軍がもう既に十五回、もうある程度やっている。まだまだ実験しますよ。

今、これから新たに実験のレーダーを、SPY7のレーダーをこのハワイのカウアイ島に造り、そしてベースライン9のシステムをつくり、発射装置を造り、そして実験をする。これもトータルコストに入れないといけないんです。その必要性は、大臣、分かりますよね、試験の必要性は、どの案になっても。いかがですか。

○国務大臣(岸信夫君) もちろん、試験の必要性については理解はしております。

○佐藤正久君 そういうこともしっかり考えてこれやらないといけないんです。

もう一つは、二十四時間三百六十五日と防衛省は言っています。これは北朝鮮用、北朝鮮のミサイルに対してこの二十四時間三百六十五日ということだと思うんですけれども、中国を意識した場合、二十四時間三百六十五日、この発想は、この陸上イージスあるいはこの今回の代替案においても、中国も意識をしても二十四時間三百六十五日なんでしょうか。

○国務大臣(岸信夫君) 我が国の防衛能力、防衛力整備につきましては、元々、中国含む特定の国・地域を脅威とみなして、これが軍事的に対応していくという発想に立つものではございません。いかなる事態にあっても我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くための隙のない防衛体制を構築していくとの考えの下で進めてきているものでございます。

一方、一般論として申し上げるならば、当然のことながら、諸外国の軍事動向を踏まえた対応をしていく必要があると、このように考えております。

○佐藤正久君 当然、国会ではなかなか言いづらいかもしれませんけれども、北朝鮮の、当時、私は、実は陸上イージスを自民党の国防部会で一番最初に提案したのは私なんですよ。当時、今津先生が安全保障調査会長で、それから小野寺さん、小野寺大臣、小野寺先生がPT長となって、これは言ったわけですよ。あのときのイメージは、北朝鮮、北朝鮮のノドン、スカッドに、いかに国民を守るかというので日本海の方に配置したわけです。

大臣は、台湾と非常に関係が深い大臣です。中国が、方から飛んでくるミサイル、例えば沖縄の嘉手納基地あるいは佐世保の方に飛んでくるミサイルを日本海の方にアセット置いて落とすというのは、これは普通に考えてもかなり難しいです。だから、新たな環境を考えた場合、運用の柔軟性と。これも、スウィフト海軍大将なんかも、議連の方もこういうふうに言っていましたけど、やっぱり運用が大事なんだ、柔軟性が。当時の状況に応じて、日本海あるいは東シナ海、どちらにも運用する体制を取らないといけないんです。どっちみち陸上から海に戻した段階で二十四時間三百六十五日はもう無理なんですから。もう無理なんですよ、船ですから。

で、できるだけということになるかもしれませんけれども、そのときに、北朝鮮だけではなく、やっぱり東シナ海、今、南西正面、重要重要と言いながらも、南西正面に対応できないミサイル防衛では国民は守れないんですよ。特定の国は言わなくてもいいです。南西正面でのミサイル防衛というものを考えて今回私はこの選定しないといけないと思っています。せっかくやめたんですから、やめた以上は、やっぱり周辺環境に照らして、国民を守れる、信頼性のある、運用性があるものをやらないといけない。

やはり日本海正面だけではなく、もう一回言いますよ、南西正面でのミサイル防衛というものを考えて今回選定しないといけないと思いますけれども、大臣の御認識をお伺いします。

〇国務大臣(岸信夫君) そういう意味では、イージス・アショアを選定したとき、時点と今の時点と、その安全保障の環境、またいろいろ変わっているところもあります。そういう意味で、この洋上プラットフォームに変えるということにおいて、今委員御指摘のようなその運用の弾力性、柔軟性、これは大きなメリットになる部分だというふうに考えております。

○佐藤正久君その辺の中身は議連の方の提言で大臣にも直接お渡ししましたので、読んでもらえばいいと思いますけれども。

次は資料5を見てください。

これはこのベースライン9と10との比較をちょっとやったものですけれども、防衛省の国防部会の資料では、ベースライン9と10というのは、これはインターフェース、ほとんど同じで、インターフェースが付けているだけだというのが防衛省の説明なんです。

でも、この資料を見ると、この上の資料、この黄色い部分が、これがSPY6のレーダーで取った情報です。この赤い部分、これは、艦橋のマストにありますXバンドレーダーで取った情報がこの赤です。こういうものを合わせて、このデジタルレーダー用信号処理というものを、この9と違って、どちらかというとレーダー側の方に寄せているんです。9と違って、もうこの場合、洋上でのIAMDですから、ということもあって、そこを入れているという情報もあるんですよ。

だから、客観、公正にやるというのであれば、しっかりと、ロッキード・マーチンだけではなく米海軍とかあるいはほかの企業といって、本当に正しい情報をやっぱり客観に公正にやるのであれば、この絵一つ取っても防衛省の資料と全然違うんですよ。その辺り、ベースラインについてもやっぱり広く情報を集めて、客観、公正的に選んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(岸信夫君) ベースライン9のイージスシステムとレーダーは、どちらもロッキード・マーチン社が製造しております。同システムとレーダーの接続には問題がないということでございます。

一方、レイセオン社のレーダーであるSPY6では、そのままロッキード・マーチン社が製造しているイージスシステムに接続できない、そのため、SPY6への接続を可能にするインターフェースを新たに追加するために現在ロッキード・マーチン社において開発中のものがベースライン10であると、このように理解をしております。

○佐藤正久君 だから、その説明がこの絵と違うんですよ、見て分かるように。データ化して集めるわけですから。そこは違うので、しっかり情報を集めていただきたいと。今の防衛省の説明とこの絵が全然合っていないんですよ。これ、私が作った絵じゃありませんから。

さらに、先ほど大臣が言われた、新たな環境に応じてやらないといけないと。この最後の資料6を見てください。

これが今新たな環境に基づいて対応しないといけないハイパーソニック等々の関係のレーダー、ミサイル関係。

要は、今あるブロックⅡAでは低く飛んでくるミサイルは落とせないんですよ、高いところで落としますから。迎撃高度の関係で低く飛んでくる北朝鮮のKN23とかあるいは中国が配備するようなDF17のような、こういう新しいハイパーソニック関係には対応できないんですよ。だから、今、アメリカの方が、これ、下はこれみんな防衛省資料ですよ、防衛省資料で、今こういう形で今研究を行っていると。

で、考えたときに、THAAD、ペトリオット、これ、SM3、指向性エネルギー、いろいろありますけれども、二段、三段の構えをやるためには、要は防衛省の方も、今はPAC3とか中SAMの方でやっていると言いますけれども、それはあくまでもフットプリントが小さいんですよ。射程が短いですから、PAC3もあるいは中SAMも。だから前の方で落とすというものが必要なんです。

これがやっぱりアメリカがイージス艦で、ここに書いてあるように、防衛省資料に書いてあるように、このSM3ホークというものを二〇二四年に新しいイージス艦に積んで試験を始めるんです。二層だけだとフットプリントが小さいから移動できませんから、やっぱり前の方で落として、一回目やって、二層の防御というときに、やっぱり新型イージス艦、要は拡張性というものもなければいけない。

防衛省の説明だと、大臣、新しいプラットフォーム、船であれば、五年プラスアルファとなると、うまくいって三年、八年掛かるというんです。だから、今から八年後の脅威に備えて、そこから三十年なんですよ。八年後から三十年使うやつを今検討しているんですよ。

だから、今じゃなくて、もうこういうハイパーソニックなり低く飛んでくるというものに対応するような拡張性も考えて今回選定しなければ意味がないんですよ。だから、高いところも落とす、低いところも落とす、こういうものが必要になるわけで。実際、北朝鮮はこの前の軍事パレードでも、ノドンとかスカッドのような旧式のミサイルはもう出てきていないんです。新型のこういうミサイルは出てきても、旧型のミサイルは出てこないんですよ。それが全然対応しなくていいとは言いません、必要です。だからブロックⅡAも大事です。だけど、今から八年後の環境を考えたときには、もうこういうものが主流になっていますから、どんどん研究していますから。

そういう拡張性というもの、これも考えて今回選定する必要があると議連の方では強く大臣に提言しましたけど、拡張性について大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

〇国務大臣(岸信夫君) イージス・アショアの構成品を洋上プラットフォーム、移動式の洋上プラットフォームに搭載するという方向ですが、これ、議員おっしゃいましたとおり、自己防護性、運用の柔軟性、相互運用性、そして拡張性等も含めた移動式の洋上プラットフォームに係る運用構想及び要求性能を検討していく。そして、米政府や日本、日米の民間業者を交えて技術的実現性等について確認、検討をおこなった上であるべき方策を決めていきたい、こういうふうに考えております。

〇佐藤正久君 拡張って非常に大事で、そういう観点で、公正、客観的に、トータルコストも考えて、大臣言われた試験も費用の考えてやるといったときに、実は私一つ懸念しているのは、今まだ契約止めていないんですよ、防衛省が。今ずっとこの既契約のまま、どんどん組み立て作業が進んでいるんですよ、SPY7もベースライン9も。公正、客観に止める、トータルでコストを考えたときには、そこはやっぱり一旦止めると。今説明は手戻りがしないようなところをやっていると言っていますけれども、普通、国民的な感覚からすると、今これからやめて、選定しているんだったら今契約を一回止めて、それで検討して、決まってからそれが必要だったら再開したっていいわけですから、なぜそれを止めていないのかと。それは、もっと、国民に説明していないんです、防衛省は。

どんどん今造っている契約、351億円のレーダー。どんどん今、ミサイル、防衛省からどんどん発注がロッキード・マーチン行って、どんどん造っているんですよ、今。だから、既存の契約のやつも自己目的にしてはいけないという話なんです。

これ、やっぱり国民の方に、なぜ今、一回止めたのに既契約の装備品を造り続けているか、これは説明しないといけないと思いますけれども、大臣のお考えをお伺いします。

○国務大臣(岸信夫君) これは、2018年七月に実施しましたそのイージス・アショアのレーダー等の構成品の選定において、SPY6とSPY7のレーダーについても性能の比較を行いました。先ほど申しましたけれども、基本性能に加えて後方支援、経費についてもSPY7の方が優れていたと。こういうことのために、防衛省としてはSPY7を選定いたしたところです。納期については同等の評価があったところですが、SPY7は、より広い、また高度の高い目標を探知可能と。同時に、より多くの目標を追尾できる。ロフテッド軌道のミサイルや同時発射された複数のミサイルの対処能力の向上を図ることができるため、我が国のニーズに適合していたということでございます。

現在、そのイージス・アショアの構成品を洋上プラットフォームに搭載する方向で、移動式の洋上プラットフォームに係る運用構想及び要求性能を検討し、米政府や日米の民間業者を交えて技術的実現性につき確認、検討を行っているところであります。

可能な限り速やかに代替装備の運用を開始する必要性を踏まえますと、SPY7を含むイージス・アショアの構成品については既に契約を行って一定程度のプロセスが進展しているため、これは利活用することを考えているということです。

○佐藤正久君 それじゃ説明矛盾しちゃうんですよ。これ、客観、公正にこれから評価をすると。で、トータルコストまだ分からないと大臣言われました。本当に、試験費用が、日本独自でこれから全部やるのと、アメリカがどんどん実験をしてやった、そういうものを使うのでは全然トータルコストは変わってくる可能性があるわけですよ。これは客観的、公平に評価すると言いながら、片方でどんどんどんどん、契約に基づいてどんどん造らせているということは、これは説明が付かないんですよ。そこは、大臣、しっかり受け止めていただきたいと思います。

また、今回、この6と7の選定で、洋上プラットフォームで7の方がいいとなったら、これからあと数年後に「こんごう」型イージス艦四隻の更新の選定が始まりますから、もう三十年過ぎています。これからあと十年後には退役するということになると前倒しで造らないといけませんから、だから、次のレーダーも7、SPY7になってしまう可能性あるんですよ。大臣、分かります。今回、SPY7が洋上でいいというんだったら、これからやるイージス艦の方もSPY7がいいに決まっているんです。そちらの方に対する影響も十分考えていただきたいと思います。これは、もう答弁は結構です。

 

外務大臣、済みません、お待たせしました。

次、大和堆についてお伺いします。

この大和堆、今非常に大きな関心を北陸の方では寄せておりますけれども、今回の、大臣、やっぱり問題の一つは、北朝鮮公船と海上保安庁がコミュニケーションができないということにあったというふうに聞いています。やはり中国の公船とは尖閣の方で、海上保安庁と中国公船でコミュニケーションができると。だけど、北朝鮮の公船とは海上保安庁がコミュニケーションできないから、今回、安全性を考えて日本の漁船を避難させたと。日本の排他的経済水域と外務省が言っているにもかかわらず、海上保安庁、水産庁の方が安全を考

慮して避難させたと。一番の原因はコミュニケーションだと。写真を見たら、本当にちんけな北朝鮮の古い船ですよ、小さな船。にもかかわらず、海上保安庁のあの大きな巡視船あるにもかかわらず、これを避難させると。

これはやっぱり外交ルートで、別に国交がなくても交渉はできますから、やはり北朝鮮の公船と海上保安庁、これがコミュニケーションがやっぱり取れるようにして、日本の排他的経済水域における漁民の、漁師の漁を安全に行うということは非常に私は大事だと思いますけれども、外務大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

○国務大臣(茂木敏充君) まず、海上保安庁とそれから北朝鮮の公船のコミュニケーションの事実関係については、それは海上保安庁の方に御確認いただいた方がいいと思うんですが、いずれにしても、確認されました船舶が北朝鮮公船であると、こういったことの特定を受けまして、北朝鮮に対しまして我が国の立場について申入れを行っているところであります。

外務省として、引き続き、海上保安庁、水産庁を始めとする関係省庁と連携をしながら、我が国の領海、そして接続水域、さらにはEEZでの安全であったりとか利益の確保、そして我が国の漁船の安全な操業の確保のために、北朝鮮への申入れ含めしっかり対応していきたいと思っております。

○佐藤正久君 水産庁に確認します。今、大和堆についてどのような、今回、漁民の方から要望があるか、苦情があるか、お聞かせください。

○政府参考人(山口英彰君) お答えいたします。大和堆周辺水域は、イカ釣り漁業、カニ籠漁業、底引き網漁業の好漁場ですが、近年、この漁場を狙って違法操業を目的に我が国排他的経済水域に侵入する外国漁船等が後を絶たず、我が国漁船の安全操業の妨げにもなっていることから、大きな問題となっております。

このような大和堆周辺水域における外国漁船等に対する取締りは、本年、水産庁は11月18日現在で延べ4178隻の外国漁船等に退去警告を実施しており、そのほとんどが中国漁船となっております。

また、9月29日は、大和堆西方の我が国の排他的経済水域内において漁業取締り船が北朝鮮公船を確認したことから、我が国漁船に対して一時的に一部水域からの移動を要請しました。今回は、自粛期間が長期にわたり漁業者の皆様に御迷惑をお掛けしましたが、その後、安全確保にめどが立ったことから、10月28日から段階的に自粛を要請を解除したところでございます。

○佐藤正久君 約一か月弱にわたって日本の海なのに漁師が漁ができなかったと。これはあってはならないことで、しかも、今、北朝鮮はコロナの関係でなかなか漁が出れないと。水産庁に聞いたら、去年は一年間で4007隻の北朝鮮の船に対して退去警告、追い出したと。今年は一隻ですから、四千七対一隻ですよ。コロナで来れないんですよ。だから、その分、中国の漁船の方にこの漁業権を売っていると。国連安保理決議違反という話もあります。だから、二重の意味で国連安保理決議違反というものを外形的にこれ認めてしまってはいけないし、また、日本の漁師が漁ができないということでは駄目なんですよ。だから、海上保安庁にお伺いします。

やはり外交ルートを通じてでも、この北朝鮮の公船とやっぱり海上保安庁がコミュニケーション、これ取れるような体制取らないと、また同じことが起きますから。これについての御見解をお伺いしたいと思います。私は、コミュニケーションを取るようにしてしっかり漁を守ると、これが海上保安庁の仕事だと思います。外務省と連携が必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。

○政府参考人(奥島高弘君) お答えいたします。北朝鮮公船とのコミュニケーションという課題でございます。今直ちに取れるという状況にはございません。今それは委員御指摘のとおりであります。今後、どのような手段、どのようなやり方があるのかということにつきましては、関係省庁と連携を図りながら検討してまいりたいと思います。

ただ、いずれにせよ、大和堆の問題につきましては、我々の任務として日本漁船の安全確保、これが第一というふうに考えておりますので、日本漁船の安全を確保するために、外国漁船の監視能力を強化いたしますとともに、北朝鮮公船に対する更なる情報の収集、あるいは情報共有といったことを図るとともに、関係省庁と連携して必要な体制を整え、日本漁船の安全の確保に万全を期してまいりたいと、このように考えてございます。

○佐藤正久君  やはり二度とこういうことを起こしちゃいけないんですよ。漁民の方も期待していますから。外務省、水産庁、そして海上保安庁、内閣官房含めてこの連携をしっかり取ってやっていただきたい、強く要望します。次に、南西諸島防衛について残りの時間お伺いします。

南西諸島防衛を考えるときに、一つの課題が国民保護計画です。国民保護計画が沖縄の市町村の方で作ることになっていますけれども、実際に避難ということを想定した国民保護計画、これを作っているのは宮古島市だけなんです。国民保護計画、これがないと、自衛隊が展開しようと思っても、防衛大臣、展開できないんですよ、やっぱり、住民がいますから。まず避難してもらうと。でも、島ですから船か飛行機じゃないと移動できないんですよ。それがまだそれ宮古島しかない。これはやっぱり内閣官房と消防庁、総務省が連携して、早くこれを作るという必要性があると思いますけれども、御見解をお伺いします。

 

○大臣政務官(宮路拓馬君) 佐藤委員御指摘の件は避難実施要領のことかと思います。御指摘のとおり、沖縄では、石垣市、沖縄市、豊見城市、宮古島市、四団体の作成にとどまっておりまして、いまだ37団体未作成ということになっております。

総務省といたしましては、市町村のパターン作成が進むよう、消防庁では、市町村向けのパターン作成の手引きを作成するとともに、南西諸島の市町村の取組が進むよう、沖縄県庁と連携し、沖縄県においてパターン作成研修会を開催し、県内の市町村職員に対し直接作成演習などを実施したところでございます。今年度も沖縄県においてパターン作成研修会を開催することとしておりまして、沖縄県市町村のパターンの作成の推進に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。

○佐藤正久君 政務官、勘違いしてもらっては困るのは、武力侵攻対象の避難計画は宮古島市だけなんですよ。あとほかの三市は別な想定ですから。それも非常にあらあらなんですよ。防衛大臣、やっぱりこの南西諸島防衛を考えるときに、やっぱり兵站が非常に弱い、展開できない。例えば戦闘機F15が使える空港というのは那覇空港と下地島空港、二つしかないんですよ。例えば海上自衛隊のP3Cも与那国空港にも降りれません、滑走路の圧が弱いために。海上自衛隊の輸送艦、これが入れるのは、先島の方では宮古島の平良港とまた石垣港だけなんですよ。これ、となると、国民の避難もできないし、自衛隊の展開もできない。こういうことについては、国土交通省と防衛省が連携して、やっぱりこれ、何とかしないと結局何にもできない。別に尖閣に触るわけじゃありませんから。こういうインフラ整備というのは、これは国土交通省のやっぱり責任ですから。政府一丸となってやるべきだと思いますけれども、国土交通省の御見解をお伺いします。

○大臣政務官(小林茂樹君) 国土交通省におきましては、これまでも、空港、港湾の整備に当たって関係府省庁、地元自治体との間で連携を図ってまいりました。例えば、空港、港湾の整備の前提となります計画の策定に当たっては、空港の設置管理者、港湾管理者、必要に応じて防衛省などの関係府省庁、あるいは地元自治体、利用者から意見を聞くなど、関係者との連携を図っております。

また、地震、津波、台風の災害に度々見舞われております我が国におきましては、空港、港湾が果たす役割は非常に大きいと認識いたしております。

今後とも、沖縄県等、南西諸島における空港、港湾の管理者とも相談しつつ、関係者と連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。

○佐藤正久君 これで終わりますけれども、やっぱり防衛という視点、これが全然ないんですよ。しっかり船、自衛隊の船や飛行機、航空機が降りれるという視点での対応を是非お願いします。終わります。