本日、昼に自由民主党本部で外交部会・外交調査会・外交戦略小委員会合同会議が行われ、外務省の大臣官房から令和2年度の概算要求の現状について、今年度当初予算よりもさらに厳しいとの説明があった。

 

予算編成の真っ只中なことから、合同会議として外交力強化について以下の内容で決議を採択した。

 

直近まで副大臣を務めたことから外務省の状況はよくわかっているが、とにかく国益に資するような来年度予算となるよう引き続き取り組んで参る。

 

 

令和2年度予算編成に際し外交力の戦略的強化を求める決議(案)

 

令和元年11月15日

自由民主党

政務調査会

外交部会

外交調査会

外交戦略小委員会

 

わが国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増し、国際社会のパワーバランスの変化は加速化・複雑化している。新しい時代において国益を守り抜くためには、国際社会の結束・ルール作りをわが国自身が主導するとともに、「積極的平和主義」の立場から展開してきた「地球儀を俯瞰する外交」、そしてそれを更に進めるための「包容力と力強さを兼ね備えた外交」をしっかりと推進することが不可欠である。

本年5月に、「新時代における外交力の重点的強化を求める決議」を採択し、政府に申し入れを行ったところ、同決議も踏まえた上で、令和2年度予算編成に関し、再度の決議を行い、特に、以下の重点事項の実現を政府に強く求める。

 

 

1.わが国として力強く外交を展開し、ますます高まる国際社会からの期待に応えるため、外務省の通常予算を大幅に増強すること。

 

2.基本的価値に基づく国際秩序を守るべく、「自由で開かれたインド太平洋』の実現に向けた取組を、開発援助等を活用しつつ推進すること。宇宙、サイバー、電磁波、自律型致死兵器システム(LAWS)等の「新分野」の重要性を踏まえ、国際的なルール作りを主導すること。政治・経済分野両面での国際裁判等への対応を一層強化すること。自由で開かれた経済秩序の維持・強化のため、WTOへの取組の推進を含め積極的な経済外交を展関すること。さらに、これらに際し、わが国の政策・立場への正当な理解を増進するため、人材育成・確保を含め万全の体制を整えること。あわせて、2025年大阪・関西万博の開催成功に向けた取組を進めること。

 

3.外交課題や国際社会のニーズに機動的に対応するために不可欠な無償資金協力・技術協力を含むODA予算や国際機関への任意拠出金を質・量ともに更に拡充し、納税者の理解を得られる効果的な取組を推進すること。持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた施策を推進すること。国連関係機関の邦人職員数を幹部職員を含め増強していくこと。

 

4.厳しさを増す国際情勢に鑑み「情報戦」を重視し、特に「歴史戦」への対応、領土・領海・領空等主権に関わる問題に関する調査・研究及び発信並びに外交を円滑かつ有利に展開するための情報収集等を強化し、わが国の正しい姿や「積極的平和主義」の政策・取組に係る戦略的対外発信を更に推し進めること。さらに、国際テロ対策・安全対策を確実にすること。海外における日本語教育、文化・人的交流等を抜本的に拡充すること。

 

5.在外公館を通じた機動的な外交活動の展開のため、在外公館施設の整備と固有化の推進、警備対策の強化や、質の高い公邸料理人の十分な確保を図ること。また、外交実施態勢を強化すべく、外務省員6,500人体制構築の速やかな実現を目指すこと。さらに、引き続き、海外出張における効率的な移動手段の確保を含め外交活動を支える「足腰予算」を着実に増額すること。来年の2020年東京オリンピックパラリンピック競技大会をはじめとする大型行事に関する予算・人員等について十分な手当てを別途行うこと。

 

 

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