本日、自民党本部にて「外交部会・外交調査会合同会議」が開催され、カンボジア情勢について外務省より説明を行った。

 

カンボジアでは、5年毎に国政選挙を実施している。2013年の国政選挙では、野党が躍進した。しかし、2015年以降与野党間の対立が高まっている。2017年9月には野党の救国党党首が国家反逆容疑で逮捕され、11月には、救国党が最高裁により解党を命令される事態となっている。現在、救国党の幹部118名が5年間の政治活動禁止処分を受けており、議席再配分により、地方議会の殆どを与党が占めている。政権側は、国内法の適切な執行を主張し、処分対象者以外の政治活動は可能として、多党制民主主義は維持していると訴えている。

西側主要国は、こうした事態に非難声明を発出しており、米・EUは選挙支援を中止した。一方、中国はカンボジア政府の措置への支持を表明している。7月29日が国民議会選挙の日となっており、日本は、選挙が国民の意思を適切に反映したものになるよう、状況改善に向けた努力をカンボジア側に働きかけている。具体的には、2014年から国際協力機構(JICA)の専門家を派遣し選挙改革支援を継続中で、今年2月には投票箱をカンボジア政府に提供する支援を行っている。

 

佐藤は自衛官時代に外務省に出向し、カンボジアPKOにも関わった経験がある。日本は、これまでカンボジアの民主化発展に協力してきた実績がある。カンボジアの紙幣には、日本の援助で掛けられた橋と日の丸が印刷されており、日本とカンボジアは特別な友好関係にあると言えるだろう。欧米が選挙支援を中止する中、外務省としても今後、カンボジアとどのように関わっていくか、情勢を注視しながら検討していきたい。