本日、自民党本部にて国際局の外交関係勉強会が開催され、「最新の朝鮮半島情勢について」と題して、早稲田大学政治経済学術院教授、深川由起子先生の講演があった。講演の要旨は以下の通り。

 

韓国には、対北対峙の(保守)と対北宥和(進歩)の伝統的な対立軸がある。最近では、新たに世代間の葛藤が生まれている。即ち、ベビーブーム(60代前後)以上の世代とベビーブーム以下の世代の対立軸である。生まれた時から民主化した時代に育った若い人達にとっては、保守の民族主義は古くさく感じている。若い世代は、経済難と就職難に直面しており、南北統一よりも国内の構造改革をしてほしいと願っている。こうした人達は、南北統一による負担は回避したいので、「平和的分断」が望ましいと思っている。一方で、北朝鮮がまともな国になるのであれば、北朝鮮復興というフロンティアでインフラ建設、北朝鮮の資源や労働力の利用など、「段階的な統一」で韓国の経済的閉塞を打破できるのではと期待する人達もいる。

 

北朝鮮と正面で向き合う韓国の世論動向については、佐藤も引き続き重大な関心をもって見守っていきたい。