3月22日(木)、憲法改正推進本部で憲法9条への「自衛隊の明記」について議論が行われた。25日(日)の党大会前に行われる最後の議論となった。

これまでの議論を踏まえ、9条2項維持した上で「自衛隊」明記した複数の条文案に対して、各議員は好ましいものを選び意見を述べた。激しい議論が3時間近くに渡って繰り広げられ、論点は出尽くした。最終盤には多くの議員が意見集約を求め、その結果、「自衛隊」を明記した形で、今後の条文案作りへの対応は細田本部長へ一任された。

平成19年にテロ対策特別措置法の延長問題があり、「衆参ねじれ国会」の中で海上自衛隊はインド洋から撤退せざるを得なかった。その後、新テロ特措法が成立し、インド洋へ派遣される護衛艦の見送るため、佐藤は横須賀へと激励に行った。当時の指揮官が隊員や政治家、マスコミを前にした挨拶が印象に残っている。「憲法違反といわれた我々にも意地と誇りがあります」と…。違憲だと批判され、テロとの戦いの道半ばで帰国させられた思いは、いかばかりだったか…。あいさつを聞いて、佐藤も涙したことを昨日のことのように覚えている。今の憲法改正の議論に欠けているのは、任務に従事する現場の自衛官による視点だ。特に海外派遣経験者は多くを感じた方も多いと思う。かつて佐藤はイラクなど海外での任務に携わってきた。様々な経験を通して思うのは、憲法9条の元での武器使用等に見られるように現実の世界でその課題に直面するのが、現場の自衛官なのだ。その意味で、憲法改正、特に9条改正の道のりはまだまだ遠い。

22日の議論で、自民党案のとりあえずの方向性は明確に定まった。ここから、「自衛隊」と明記された形で具体的な条文案の作成へと移る。一人でも多くの国民に支持いただくためにも、今後は連立を組む公明党や他党と協議し、その上で野党とも議論を尽くしていかねばならない。まだまだ道半ばではあるが、海外での現場感覚をもっている唯一の自衛官出身議員として、佐藤はこれからもぶれずに愚直に自説を訴えていきたい。