本日、自民党本部にて外交調査会の勉強会が開催され、「日本外交の指針~日米同盟と日米安保」と題して、外交評論家、岡本行夫氏の講演があった。講演の要旨は以下の通り。

 

 最近のロシア、中国、北朝鮮の動きを見ていると、世界は独裁国家による帝国主義の時代が近づいているのではないかと心配している。これらの国の共通するのは、「復活」と言うキーワードである。

 ロシアは3月18日に大統領選挙が行われるが、プーチンの再選はほぼ確実視されている。さらに6年の任期を務めれば、2024年まで大統領の座にいることになるが、その時には71歳。プーチンが引退するとは思えず、さらに2030年までロシアに君臨するのではないかと思う。冷戦後、NATOが東方に拡大にしたことより、ロシアは旧ソ連時代の緩衝国家を失った。プーチンはウクライナ東部、中東地域に影響力の拡大を図り、偉大なロシアの「復活」を目指している。

 中国の習近平は、後継者を指名しておらず、国家主席の任期を撤廃する憲法改正により、長期政権を可能にしようとしている。習近平は「中華民族復興の夢」という言葉を演説に多用しており、中国の地位拡大、清の乾隆帝時代のような大中華帝国の「復活」を目指しているようだ。この時代、台湾は清の領土であったので、習近平は国家主席の間に武力による「台湾解放」を目標にしているとすれば、大変なことになる。

 北朝鮮は、金正恩が核・ミサイル開発を進めているが、戦争で使うことが目的ではなく、政治的な恫喝を目的としているとみるべきだ。彼の祖父、金日成の夢であった「韓国の解放」は、朝鮮戦争により阻止された。しかし、金正恩はその夢を「復活」させる為、米国に邪魔をさせない為の核・ミサイル開発に邁進していると言える。核弾頭の小型化と大気圏への再突入技術の完成まであと半年と言われ、核ミサイルの完成まで手が届く状況になっている。現在、金正恩は融和外交を展開し、確実に時間を稼いでいる。

 このような安全保障環境の中、日本が生き抜くには「日米同盟」しかない。核武装した北朝鮮に対するには、米国と組んで、敵基地反撃能力を含む圧倒的な抑止力を持つ必要がある。

 

  岡本氏が指摘するように、世界は独裁体制の国家から圧力を受けつつある。米国との同盟関係は日本外交の屋台骨であり、さらなる強化・深化が日本の抑止力を高めることになるだろう。佐藤は外務副大臣として、激動する世界情勢を注視しながら、日本外交をリードしていきたい。今こそ、日本外交の踏ん張りどころである。