本日、外交国家ビジョン策定プロジェクト・参議院自由民主党朝鮮半島問題プロジェクトチーム合同会議が開かれた。

 

篠田英朗(東京外国語大学大学院総合国際学研究員教授)氏を招き、「平和主義に基づく現実的な外交・安全保障」との議題で講演をして頂いた。

 

わが国の少子高齢化問題は日増しに深刻化している。その一方で、周辺国、特に中国のGDPは日本の2.5倍まで成長した。この様な国力の相対的変化は非常に稀であり、放っておけば、この差は開く一方であるため、慎重かつ大胆な政策が必要である。

 

特に、北東アジアにおいては、ASEANやEUなどの、他の地域にある様な地域機構が無い。日米同盟だけに頼るのではなく、外交には多様性があった方が良いという観点からも、インド太平洋戦略などを推進していくことは非常に重要である。

 

憲法に関しても、大西洋憲章や国連憲章の理念と一致するものが安定する。したがって、集団安全保障と自衛権の存在を明確にすることが重要であり、少なくとも「軍隊を持つことは禁止していない」ということをはっきりとさせなければならない。

 

国会議員が、憲法解釈の議論に時間を費やすのは大切なことではあるが、国益を考えるならば必要以上に労力を費やしている場合ではない。今この時にも、朝鮮半島の緊張や中国の拡大は進んでいる。憲法改正の「目的」を見失ってはならない。