佐藤正久が外務副大臣としての公務により海外出張中である為、12月19日(火)に行われた外交国家ビジョン策定プロジェクト・参議院自由民主党朝鮮半島問題プロジェクトチーム合同会議の様子を秘書から皆様にご報告します。

 

本日、参議院にて掲題の合同会議が行われ、神保謙 慶應義塾大学総合政策学部准教授の講演がありました。講演の要旨は以下の通りです。

 

現在の北朝鮮の抑止力は3つの段階で構成されています。1つ目は、長距離砲や短距離ミサイルによる対韓国の都市・軍事施設への抑止、2つ目は、中距離ミサイル・潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)による対日本・在日米軍・グアム米軍基地への抑止、3つ目は大陸間弾道弾(ICBM)による対米国本土への抑止です。

 

日本にとっての懸念事項は、北朝鮮が一方的に抑止力を獲得したと自ら過大評価し挑戦的な行動を活発化し、核・ICBM能力によって米国本土を攻撃できる能力を確立することで、米国の核の傘や抑止の機能が低下することです。

 

今後必要な対北朝鮮政策は、短期的な核問題の解決は望み得ないことから、軍事的な優位性を確保しながら、厳しい経済制裁を継続する長期的な封じ込め政策が必要となってきます。これにより、北朝鮮の長期的政権の正当性を失わせることが重要です。日本は、陸上配備型イージスシステムの配備でミサイル防衛能力を強化し、敵基地攻撃能力の保持し、日米同盟で米国が日本を守るという意思と能力を示す必要があります。

 

講演後、出席した国会議員と神保准教授の間で活発な質疑応答がありました。また、朝鮮半島プロジェクトチームの座長からは、来年の会議では北朝鮮の有事を想定して、シミュレーションをやっていきたいとの意気込みも語られました。