自民党・国際保健医療戦略特命委員会が開催。

5月11日、コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生。日本のデンカ生研株式会社はエボラウィルスの迅速診断キット試作品400セットを無償で提供した。

今日の議題のひとつは、「緊急時における未承認薬の途上国への提供」についてである。WHOがPHEIC(緊急事態)を宣言し、当該途上国が未承認薬の提供を要請した場合、わが国は人道と危機管理の観点から迅速に対応することとしている。

わが国にはエボラウィルスの症例はないにもかかわらず、迅速診断キットを試作しているデンカ生研や研究者の努力に敬意を表する。政府には、研究者が最先端の研究に使用できるように早急にBSL4施設の設置を支援してほしい。

ところで、企業が製品を提供すると、税制上、課税対象となると言われている。政府からは「緊急時なので、ケースバイケースで善処する」と答弁があったが、「被災者への自社製品の提供は不課税・損金扱いとする」特例があるはずなので、これを徹底するよう国会議員から強く要請した。

 

 また、海外における自衛隊の衛生運用の現状と課題について、防衛省と議論をした。

防衛省・自衛隊の海外任務には、(1)国際緊急援活動、(2)国連指揮下のPKO、(3)その他の国際活動(アデン湾海賊対処やイラク人道支援など)があり、それぞれ体制・指揮系統が変わる。すべてに共通する課題は、現地における自衛隊の輸送体制、すなわち衛生専用のヘリコプターを持っていないという点である。

 この問題点については、防衛省の衛生監の業務の域を超えていると思うので、統合幕僚監部が中心となって運用を強化するよう、再度強く要請した。

 

 昨年の伊勢志摩サミットにおいて、安倍総理がユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進を宣言している。わが国のの保健医療政策の充実を推進していきたい。