シャングリラ会合の成果報告を受けた。英国国際戦略研究所(IISS)主催による第16回アジア安全保障会議が今年も開催され、日本からは稲田防衛大臣が出席した。2002年以降、毎年シンガポールのシャングリラホテルで開催されているため、シャングリラ会合と呼ばれている。

 

稲田防衛大臣は「ルールに基づく地域秩序の擁護」との演題で講演し、北朝鮮問題、南シナ海における中国も拡張主義などを挙げながら、「国際的ルールも、それが支える秩序も、自然に維持されるわけではない」ことを強調した。大事なのは3つのC、すなわち信頼醸成(Confidence Building)、能力構築(Capacity Building)、共同活動(Combined Effort)を基礎に多国間協力を進めていく意義を説いた。

 

その他、日米豪、日米韓の3か国会談や、フランス、シンガポール、マレーシア、ニュージーランドとの防衛相2国間会談など、稲田大臣は精力的に日程をこなした。日米豪では、3か国での共同訓練の拡充深化、米国との防衛省会談ではマティス国防長官から改めて日米安保条約5条の尖閣諸島適用を再確認した。

 

多くの国の防衛大臣が一か所に集まるシャングリラ会合は、地域情勢について意見交換や、南シナ海問題などの地域情勢への各国の温度差を見極める貴重な機会だ。今後も国会日程など忙しい中でも、我が国の防衛大臣には継続して出席してもらわなければならないと、佐藤は考えている。

 

http://www.iiss.org/en/events/shangri-la-dialogue/archive/shangri-la-dialogue-2017-4f77/plenary-2-faad/inada-622b