2年前に米国から返還された沖縄県宜野湾市のキャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)に、国際医療の拠点を整備するプロジェクトが動き出している。佐喜眞(さきま)宜野湾市長を自民党本部にお招きし、医療を絡めた沖縄振興について議論が行われた。

 

西普天間住宅地区の跡地利用は、OHMIC(Okinawa Health Medical Innovation Center)構想が元となり、返還された米軍駐留軍用地の利用を促進するという観点から始まった。沖縄への外国人の訪問者数は増えている。また沖縄県内に目を転じると、人口増への医療面での対応や離島及びへき地での医療体制確保が求められてきた。このような経緯から、①高度医療・研究機能の拡充、②地域医療水準の向上、③国際研究交流・医療人財育成を網羅した医療拠点を整備し、それを起爆剤として沖縄の振興を後押ししていくこととなった。

 

今後は、基本設計、実施設計、建設工事を経て、2025年には添付写真にあるかつての住宅地区に、最先端の医療施設が完成する予定だ。沖縄は地理的に見てアジアの中心に位置することから、非常に潜在性の高いプロジェクトだ。しかし、世界最先端医療を呼び水に沖縄振興を図るこの壮大な計画は、宜野湾市だけではなく沖縄県の協力も不可欠だ。沖縄県にとって如何に有益であるかを訴えながら、県庁を上手く引き込んでいかねばならない。