先週開催された米中首脳会談と米軍のシリア攻撃について、自民党の外交部会で議論が行われた。

 

米中首脳会談については、双方の指導者が顔を合わせることに重きが置かれた。そのため両国の政治経済問題について、従来からの原則論を相手側に伝えて会談は終わったようである。共同記者会見は行われず成果文書も発表されないなど、具体的な成果について詳細は明らかにされていない。しかし、北朝鮮問題についてはトランプ大統領が「中国が行動を起こさない場合には独自の措置を講ずる用意がある」旨の発言をしたことで、中国側にはトランプ政権の強いメッセージが伝わったようだ。

 

米軍のシリア攻撃については、アサド政権による自国民へのサリン使用を認識する必要がある。サリンは化学兵器であり、生物兵器、核兵器と並び大量破壊兵器の1つに分類される。2013年に、アサド政権は国際社会に対して化学兵器全廃を約束していたことを考えれば、今回のアサド政権の暴挙は明らかな国際法違反だ。そのため、ロシア、中国、北朝鮮など一部の国を除き、多くの国が今回の米軍の攻撃を支持している。今後は、本日開かれる米ロ外相会議の行方を見た上で、国際社会全体でシリア問題解決に取り組めるかどうかがカギとなる。その意味でも、全段階での米ロ外相会談で、シリア情勢打開へ両国が一致点見いだせるか否かは極めて重要となる。

 

日本としては、日米同盟、国連、G7など様々なチャンネルを通じて、今後も急激に変化する国際情勢に注意を払わねばならない。