11月9日(水)、竹島問題の早期解決を求める東京集会が、憲政記念館で開催された。参加者は300名ほどに上り、社民党・共産党を除く、与野党の代表者など20名以上の国会議員と多くの国会議員代理も出席した。

 

本集会の東京での開催は2年ぶり。会は、超党派の国会議員で構成された「日本の領土を守るため行動する議員連盟」と「竹島・北方領土返還要求運動島根県民会議」の共催であった。

 

集会では、政党・後援団体からの挨拶に引き続き、下條正男・拓殖大学教授による、「『竹島問題』の課題と現状」と題された講演が行われた。

 

講演では、まず、竹島問題の根本にあるとも言える、日韓国境正常化交渉に遡った。
そして、1952年に始まった交渉では、戦前、日本人が朝鮮半島に残した財産を巡る請求権問題、朝鮮戦争等を機に日本に流入した韓国人の法的地位問題、竹島周辺において拿捕され抑留された等の漁業問題が複雑に絡み合い、結果として、日本が外交交渉で差し込まれたことが説明された。

 

また、1998年に締結された日韓漁業協定においては、我が国固有の領土である竹島を基点にすることなく、「共同管理水域」が設定されるという、日本外交が、再び苦しい結果となったことが説明された。

 

講師によれば、まさに、これらの日本外交の“敗北”が、竹島問題を根深いものにしている。

問題解決に影を落としているのは、それだけではない。

 

講師によれば、2005年、島根県議会で「竹島の日」条例を成立させた際、我が国の政府側、特に外務省の高官が、「竹島の日」制定を批判したのである。

 

「竹島の日」制定以降、確かに、竹島問題は国内の関心も集まり、今や、内閣官房や外務省は各種の資料を発刊または公開している。

 

ただし、講師の指摘に基づけば、国境正常化交渉以降、韓国に対する“配慮”が先行した結果、竹島問題は韓国を利する状況になったことは否めない。

 

講演後には、竹島に上陸した韓国国会議員等に対する公開質問状を提起する旨、主催者側から提案があり、満場の拍手を持って採択された。本年夏、竹島に上陸した韓国国会議員などに向けられる本質問状は、韓国側の主張の国際法上の、または、史料上の根拠を問うものである。韓国側の回答に期待したいところだ。

 

領土問題を解決することは、一朝一夕にはいかない。特に竹島問題について韓国側は、日本に“奪われた”領土を取り返した結果だとする観方に立っている。つまり、その経緯がどうであれ、韓国国内では、ただの領土問題ではなく、歴史問題や民族的な問題になってしまっているのが現実である。

 

しかし、困難な問題とはいえ、解決できない問題としてはいけない。領土に関する問題は、国家の主権に係る問題であるがゆえ、あらゆる努力をし、解決に向けて歩みを進めなければならない。

 

そのためには、まず国民一人一人が関心を持ち、問題を理解をすることが重要である。その積み重ねが、声を生み、具体的な行動を盛り立ていくことになるだろう。我が国の領土を守り、かつ、未来志向の日韓関係を築くためにも、事実を踏まえた、冷静な議論を佐藤も心がけたい。