自民党・国際保健医療戦略特命委員会が開かれました。


佐藤も5月に「エボラ熱への対処事情」を視察するためにギニアを訪問しましたが、その繋がりもあり大変関心の深い分野でもあります。


 8月27日~28日 ケニヤにてTICADⅥが開催され、その概要は以前報告しましたが、この特命委員会では継続して「国際保険医療戦略」を掘り下げていきます。


TICADⅥの成果の根底には、伊勢志摩サミットの総理演説で約11億ドルの拠出表明があります。

拠出金約11億ドルのうち約5億ドル以上の支援をアフリカで実施し、約30万人の命を救うことを目標にしています。


また、感染症対策のための専門家・政策人材を約2万人育成し、すべての人が基礎的保健サービスにアクセスできるように支援をします。


 海外において大規模な災害が発生し、被災国政府等から要請を受けた場合、我が国は国際緊急援助隊を派遣することがあります。

昨年10月には国際緊急援助隊の一つの形態として「感染症対策チーム」を創設しています。


最初の派遣事例として、今年5月にコンゴ民主共和国における黄熱の流行に対して派遣されました。

黄熱やエボラ熱への対応としてチームが派遣されたわけですが、少人数で医療行為を行うことで対処できるような規模ではありませんので、専門家として、現地政府や国際機関、医療機関、NGOとともに黄熱流行の状況把握と対応の検討をしていくことから始まります。


以前ギニア視察報告でも触れましたが、ご遺体に触れることを尊ぶ葬儀の風習や、防護服を着た国際医療チームがご遺体を隔離しようとすることへの恐れ、適切な検査診断機器の不足などが、流行拡大になったと分析されます。

多角的な分析に基づき、現地のニーズにあわせて、「ワクチン接種キャンペーン」を展開することで、罹患を食い止める支援をしていきます。


 JICAでは、国際緊急援助隊の人材を強化するために「派遣候補者人材プール登録制度」を整えました。

疫学班、検査診療班、診療・感染制御班、公衆衛生対応班、ロジスティック班と、機能別に班を編制し、現在、約180名の方が登録してくれています。

しかし、派遣候補者に登録してくれた方は、普段はそれぞれの職業をもっているので、すぐに180人の体制が作れるわけではありません。


政府は内閣官房を中心に関係省庁をとりまとめ、人材の確保と育成に力を入れていきます。