9月14日(水)、北朝鮮による5度目の核実験を受け、参議院外交防衛委員会を開催した。委員会では政府側から外務・防衛両大臣の出席を得て、1時間半以上に及ぶ質疑を行った後、全会派が共同提案した北朝鮮に対する抗議決議を採決。全会一致で採択した。ここに、全文を紹介する。


(以下、決議文)


北朝鮮による五度目の核実験に対する抗議決議
去る九月九日、北朝鮮は、核弾頭爆発実験を実施した旨発表した。これは、決議第二二七〇号等の一連の国連安保理決議や六者会合共同声明、日朝平壌宣言に明確に違反し、実に五回目となる核実験である。
今般の核実験は、これらの国際社会の声を無視して強行されたものであり、国際的な核不拡散体制に対する重大な挑戦であるばかりでなく、唯一の被爆国の我が国として断じて容認できない暴挙である。さらに、本年に入って弾道ミサイルの発射を、我が国の排他的経済水域に落下したものや、潜水艦から発射したものを含め、既に二十一発実施したことに加え、核実験を一月に引き続き再度強行したことは、我が国の安全に対する直接的脅威であるとともに、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、極めて強く非難する。
本委員会は日本国民を代表して、今般の核実験に対し重ねて厳重に抗議するとともに、北朝鮮が、これまでの諸合意に従って速やかに全ての核を放棄し、I A EA の査察を受け入れ、朝鮮半島の非核化に取り組むことを強く要求する。
政府は、国連安保理決議等を踏まえ、決議に基づく制裁措置を完全に履行するよう強く求めるとともに、国際社会が結束した外交努力を展開し、平和的な解決を模索すべきである。その際、北朝鮮が現在の行動を改めない限り、国際的な批判と孤立を招くだけであり、将来に活路を見いだすことはできないことを認識させるべきである。そのためにも政府は、非常任理事国として、米国、韓国、中国、ロシア等関係各国との協力を強化しつつ、新たな決議の採択を始め、国連安保理における議論を主導するとともに、国連安保理での取組や我が国独自の措置を通じて圧力の強化を追求すべきである。
また、政府は、北朝鮮情勢に関する情報収集・分析を徹底し、国民に対して的確な情報提供を行うとともに、核実験及びミサイル発射の兆候・実施が認められる不測の事態にあっては国民への適切な周知を図るべきである。加えて、不断に必要な態勢をとるほか、米国等と緊密に連携し、我が国の平和と安全の確保、国民の安全・安心の確保に努め、万全の措置を講ずるべきである。
北朝鮮の核・ミサイル問題のみならず、拉致問題も我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であり、国際社会が結束して北朝鮮による核・ミサイル・拉致問題の包括的かつ早急な解決を図るべく、政府の総力を挙げた努力を傾注し、もって国民の負託に応えるべきである。
右決議する。


(以上)


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