7月27日(水)、国防部会・安全保障調査会合同会議が開催された。議題は4つ。防衛白書、陸自誤射事案、東シナ海における中国軍の動向、沖縄の基地問題を巡る動向についてである。


まず、8月に公表される予定の、平成28年度の防衛白書について。佐藤からは白書の書きぶりそのものではなく、白書で言及された内容を着実に実行することを政府側に要望した。部隊を巡り感じるのは、女性隊員に係る諸施策に課題が多いということ。特に、隊舎の整備や託児所の整備は切実だ。予算獲得も含め、着実に改善しなければならない。


次に、然別演習場で発生した陸自の誤射事案について。佐藤からは“根の深い背景”を2つの観点から説明した。1つは、射場不足。もう1つは撃ち殻薬きょうの扱いである。特に後者は深刻である。射撃訓練を行う際、隊員は薬きょうを回収することに意識の大部分が割かれる。1発分でも紛失したら、全員で捜索しなければならないからだ。こうした状況は、これを機に是正する必要がある。


そして、東シナ海における中国軍の動向について。政府側からは、例えば、4月~6月の1/四半期に限った場合、中国機に対するスクランブルの回数が、昨年度比1.7倍に増加していることが説明された。佐藤からは更なる挑発行為への対応について事前に検討しておくよう要望した。特に、尖閣諸島に付随する領海への侵入とドローンについては真剣に検討する必要がある。ちなみに、レバノンから侵入したドローンに対し、イスラエル軍は地対空ミサイルPAC-2を発射したが、撃墜できなかったという事例がある。


最後に、沖縄の基地問題を巡る動向について。政府側からは、北部訓練場のヘリパッド工事について説明があったが、併せて、沖縄選出の国会議員から本件に関する実態についても語られた。例えば、「反対」の声で盛り上がりを見せているように見える現場・東村の村長は、そもそも、「(ヘリパッド工事)賛成」という立場で立候補し、当選した方。つまり、工事が行われている現地の民意は「賛成」である。この点を忘れてはならない。


参議院選挙もあり、久しぶりの部会となったが多くの話題について議論した。このことは、国防に直結する出来事が、それだけ多く生じていることを意味している。参議院外交防衛委員長として、引き続き、緊張感を持って職務に邁進していく。

佐藤学校仮入校