選挙戦もあと2日を残すのみとなった。今日は関西方面を応援のため駆け回り、夜には関東地方へと戻る。ふと気付けば、この2週間でだいぶ日に焼けた気がする。


さて、昨日の投稿では現在実施中の中国の軍事演習と中国の装備品開発について触れた。そこで今日は、日本の装備品に関する動向に触れつつ、日本の防衛装備移転の将来について考えてみたい。


6日付の防衛省の発表によれば、平成27年度、28年度予算で1機ずつ計上されている新早期警戒機「E-2D」の役務を請負う企業が決定した。機体の「修理」を担当するのは川崎重工業、エンジンの修理を担当するのはIHIである。


ちなみに、この機体は平成26年に機種選定が行われたもので、当時は、伊藤忠商事などが提案したボーイング社の737AEW&Cと米国政府が提案したノースロップグラマン社のE-2Dの2機が対象となった。結果、同年11月、総合評価の高い、E-2Dが選ばれている。


ここで改めて確認しておきたいのは、E-2Dを提案したのが「米国政府」であるという点だ。周知のとおり、米国は武器輸出を行っているが、民間ベースの枠組みはもちろん、米国政府が主導する枠組みもある。特に戦闘機などの高額案件や政治的配慮を要する案計は米国政府が主導する。この点は、わが国の装備移転政策を進展させる上で、大いに参考になるだろう。


しかしながら、日本の装備政策の軸となる「防衛装備移転三原則」には課題もある。例えば、どの省庁が装備移転を主導するのか明確ではないのだ。条文では、NSC、外務省、経産省、防衛省の「関係省庁間での連携」が謳われているのみである。ちなみに、米国では国務省が主導している。


少なくとも政府が提案者となるような案件については、米国のように、特定の関係省庁が責任を追うべきであり、そのことは明記されるべきであろう。レピュテーションリスクに細心の注意を払う民間企業には、第三国移転などのリスクは負いきれないからだ。


E-2Dやオスプレイなど、米国などから次々と装備品を輸入している日本が、装備品を輸出できるようになるまでには、まだまだやるべきことが多い。


写真: Northrop Grumman社Webより





 
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