3月10日(木)、
国防部会が開催された。


議題は、
防衛研究所(以下、防研)が発表した
『中国安全保障レポート』について。


このレポートは
防衛省のシンクタンクである防研が
中長期的な視点に基づいて
中国の安全保障動向について分析したものである。


ちなみに、レポートは以下に示す防研のウェブサイトから
ダウンロードすることができる。
http://www.nids.go.jp/publication/chinareport/


さて、2016年版のレポートであるが、
「拡大する人民解放軍の活動範囲とその戦略」
というテーマで分析が加えられている。


周知のとおり、中国は年々国外での活動を活発化させている。


例えば、中国軍は
2014年7月、
ハワイで開催された
環太平洋合同演習に史上初めて参加し、
2015年5月には、
地中海でロシア海軍と共同訓練を行っている。


その他にも、
2015年9月には
5隻の中国軍艦艇が、
アラスカ沖で米領海内を通過している。


こうした動向からは
中国が遠海での作戦能力を強化しており、
その成果が着実に現れていることが見て取れる。


海軍のみならず空軍の能力増大も顕著である。


特徴的なのは、
輸送機や地上攻撃能力を持った作戦機など、
空中戦以外の任務を担う航空機の割合が増えたこと。


1985年には保有機の80%が
要撃のみに用いられる航空機だったのに対し、
2015年にはその割合が45%に減り、
半数以上の航空機は、各種支援機能を有するものになっている。


こうした動向からは、
中国空軍が輸送・補給機能はもちろんのこと、
多様な任務に対応できる能力を整備しつつあることが見て取れる。


ミサイル戦力の拡充も見逃せない点である。
核戦力の多弾頭化が進み、
精密打撃能力の向上も見られる。


人民解放軍は今、
組織再編も意欲的に進めている。


特に7区あった軍管区を
5つの戦区に統廃合し、
陸海空軍及びロケット軍並びに戦略支援部隊を
一元的に管理する体制を取ったことは顕著な動きである。


質的向上に邁進する人民解放軍。
その人民解放軍は、活動範囲も確実に広げている。


特に、南シナ海や東シナ海といった、
いわゆる第1列島線内においては、
軍事的主導権を握るべく
貪欲に活動している。


中国の活動が地域の安全保障に与える影響を見極めながら、
日本も、広い意味で、国の守りを固めていかねばならない。


自衛官出身の国会議員として、
佐藤は引き続き、できる限りのことをしていく。

佐藤学校仮入校