11月26日(木)、
国防議員連盟が開催されました。


会長は第57代防衛庁長官を務めた衛藤征士郎先生。
佐藤は事務局長を務めています。



本日の議題は
サミット、五輪に向けた自衛隊のテロ対策と
平成28年度防衛予算について、です。


なお防衛予算に関連し、
IHIエアロスペース社、
メルコーポレーション社の
2社の防衛関連企業からのコメントも併せて頂きました。


まず、
サミット、五輪に向けた自衛隊のテロ対策です。


テロ対策は、
第一義的には警察が対応するものであり、
平成14年のワールドカップや
平成20年の洞爺湖サミットでも
警察・海上保安庁や事業者が実施しました。


しかし、国際的なテロの脅威の高まりを受け、
伊勢志摩サミット準備会議関係省庁には
防衛省も含まれました。


警備対策の基本方針においては
情報収集・分析の強化、
NBC・爆発物テロ対策の強化、
サイバーセキュリティー対策の強化などが盛り込まれています。


伊勢志摩サミットにおいては、
特に愛知県の守山駐屯地、
三重県の明野駐屯地などから
協力を得る予定です。


現在、防衛省では、
テロ対策に活用しえる装備のとして、
例えば、「壁透過レーダー」の研究開発を進めています。


これは、耐震強度の強い日本の建物の壁の向こうにいても
人物の位置、人数、動きなどを
リアルタイムで補足する装備品です。


また、
「手投げ式偵察ロボット」の研究開発も進めています。


これは、元々直径10cm程度の球形で、
偵察を行いたい対象の付近に投げ込むと、
展開して四輪形態のロボットとなり、
遠隔操縦装置により、
対象に接近するというものです。


本日はその実物も会場で紹介されました。


次に、平成28年度防衛予算についてです。


装備品の購入に充てる予算は
「物件費」と呼ばれています。


物件費のうち、
陸上自衛隊の主要装備品等の購入に充てる予算の内訳を見てみると
直接の戦闘力発揮を目的とする装備品(戦車、装甲車など)以外の装備品を
購入する予算は、平成27年度予算に比べ、72億円の減少となっています。
弾薬に至っては、対前年度比、112億円も減らされています。


これは、
米国からFMSで購入するオスプレイなどの“大物”に
多くの予算を割かれたからです。


オスプレイや水陸両用車などの
FMSの予算が膨らめば、
その影響を受けるのは、
国内の生産技術基盤です。


また、
いくら立派な装備品をそろえていても、
肝心の弾薬がなければ、
必要な時に戦えません。


一般に防衛関係費は
平成24年度以降、増額の方向にあると理解されています。


しかし、
弾薬購入費の関しては、
実は、平成2年以降減少傾向が続いています。


具体的には、
平成2年度、約890億円あった予算が
平成27年度には、約610億円となっています。


この落ち込みは、
「弾薬」業界に深刻な影響を与えています。


弾薬業界は、
当然のことながら、防衛省向け事業以外に
マーケットの広がりはありません。


つまり、
防衛予算の規模 = 市場規模
なのです。


このままでは
自衛隊に弾薬を提供する国内の生産基盤が
より一層弱ってしまい、
防衛事業からの撤退を考えている企業もあると聞いています。


自衛隊は国家防衛のために存在する組織です。


しかし、
いざとなった時、
肝心の「弾」がなければ、
国も国民も守れません。


日本を守るためにも、
弾薬購入費の増額は
絶対に必要です。


国防議連では
今回の議題のように、
防衛分野の中でもなかなか光が当たらない、
しかし、絶対に取り組まなければならない問題も
積極的に取り上げていきます。


佐藤も事務局長として
防衛理解の促進に向け
しっかり汗をかいて参ります。


佐藤学校仮入校