【普天間飛行場の辺野古沖移設は、現時点で唯一の現実的な解決策だ。政府は沖縄県知事側のあらゆる対抗策に備えつつ工事を継続すべき】

沖縄県の翁長知事による「辺野古埋め立て承認取り消し」は、今日にも国土交通大臣により、「一時的取り消し執行停止」が決定される見込みだ。その「一時的」の期間は、防衛省が不服申し立て行った審査請求が裁定されるまでの間とされ、最低でも数ヶ月以上と見積もられる。

これにより、防衛省側は審査請求の裁定が下されるまでの間は、工事が可能となり、来月にも杭打ち等本体工事に入る見込みだ。辺野古沖移設が、普天間飛行場の危険性の除去と抑止力の維持の観点からは現時点で唯一の解決策である以上、ボーリング調査と並行しつつ本体工事に早期に着手すべきだ。

一方、翁長知事側は、徹底抗戦の構えで、辺野古沖での工事が再開されれば、国の第三者機関「国地方係争処理委員会」への審査申し出や国交大臣が下した執行停止の取り消しを求めて提訴する可能性も高い。更には、杭打ち等の本体工事がなされれば、翁長知事側は、工事停止を求める県民投票、或いは任期途中であるが沖縄県知事選挙や名護市長選挙を、1月の宜野湾市長選挙に合わせて行い、沖縄県民意思を明確にする手段に打って出ることも否定できない。

政府は、沖縄県側との対話を継続しつつも、工事継続の流れを止めてはいけない。本体工事が開始された以降に予想される沖縄県知事側のあらゆる対抗策に、地方自治法基づく行政代執行等の各種手段や法的対抗措置を含め備えておく必要がある。

「オール沖縄」と県知事側は言うが、辺野古沖移設の条件付き容認派も少なからずいる。特に辺野古沖がある名護市の久辺3区や宜野座村、金武町、東村等の東海岸側にはその傾向が強い。政府が辺野古の久辺3区へ直接振興予算を振り分けるのもその受け入れ同意の地元民意基づくものだ。

一方で、沖縄県側との対話は絶対に閉ざしてはいけない。基地を受け入れて頂いているその現実を踏まえながら、抑止力の意義の説明を丁寧に続ける等受け入れ同意の県民を増やす努力は必要だ。これからの数ヶ月が、まさに正念場だと思う。政府与党一体となって、移設を進めていきたい。