9月2日(水)、
佐藤は平和安全法制に関する特別委員会で
質疑に立つ機会を頂きました。


今回は、主に維新の党が示した対案について問いました。


まず何より、
日本が置かれた安全保障環境が厳しいものであるという認識を共有し、
対案を提出した維新の党には
敬意を表します。


佐藤は修正協議のメンバーですので、
対案をしっかり受け止め、今後も真摯に議論を進めていきたいと思っています。


さて、
維新案に対する最初の質問は、
国際平和協力に関し、
維新案の中で示されている、
敵性勢力の「不存在」などを認定する方法についてでした。


維新案では、
暴力をふるう存在や
残党勢力が組織的・継続的な抵抗の意思を有しない場合に
人道復興支援ができるとしています。


しかし、
敵性勢力の「不存在」や「抵抗の意思がない」ことを証明することは非常に困難です。
さらに言えば、「勢力」の定義も不明確です。


佐藤も自衛官時代
派遣時の事前調査で現地入りしたことがありますが、
現場での作業は危険や困難も伴います。

実際、外交官も亡くなっています。

そうした中、維新の党が、
どのようにして敵性勢力や敵対意志の「不存在」を
確認しようと考えているのか問いました。


維新側からは、
要するに「ケースバイ・ケース」という回答しか頂けませんでしたが、
維新案に実行上の課題があることは浮彫になりました。


引き続き、派遣決定手続きにおける、
国家安全保障局(NSC)の関与についても問いました。


維新案では、
派遣決定手続きに係るNSCに関する法案が示されておらず、
別途法律で定めるとしています。


そこで、
NSCに関する法整備について考えを問いました。


維新側からは、
法案成立してから施行するまでの6ヶ月の間に
必要な法律を整備する旨
答弁がありました。


しかし、法律が施行されるまでに
実効性を担保する他の法律ができる保障はありません。


だからこそ政府案では、
NSCに関する改正法案を含め、
「一括」して提出しているわけです。


実効性を担保する上での法整備についても
維新案の問題点が浮き彫りになったと思います。


そうした一方、
維新の党の考え方と
政府案との接点を見出すこともできました。


例えば、
集団的自衛権を行使するにあたっては、
相手国の「要請」・「同意」を必要とする
とする点です。


もっとも、維新案は、
同盟国たる米国のみを想定している点には
留意する必要があります。



なお、質疑の中において佐藤は
法的安定性を確保するために、
武力を行使する上では、
憲法などの国内法のみならず、
国際上の適合性を図ることの重要性も指摘しました。


集団的自衛権を行使するにあたっても
集団安全保障の枠組みの中に身を置くとしても、
国際法上の「根拠」を
明確にしておくことが重要です。


国会内外には、
集団的自衛権が一部行使できるようになることについて
異議を唱える方々がいます。


今回の委員会では、

維新側も曖昧な答弁を繰り返しました。


しかし、外務省国際法局長の答弁にもあったように、
集団的自衛権の行使に当たるか否かは、
自国に対し発生した武力攻撃に対処するのか否かによって
明確に区別されます。


つまり、国際法上、
日本が直接攻撃されていない状況下で
米軍を防護するために武力を使用することは、
たとえ目的が自国防衛であったとしても
集団的自衛権の行使に当たるのです。


決して、個別的自衛権で対処できるものではありません。

だからこそ政府案では、
国際法に違反しないよう、
一定の条件下で
集団的自衛権を一部行使できるようにしています。


法的安定性を確保するためにも、
国内法だけではなく、
国際法にも目を向けることを忘れてはいけません。


今日の質疑により、
結果的に政府案の長所が明らかになったと考えます。

維新側の認識も確認できましたので、
引き続き、誠心誠意、丁寧に協議を続けてまいります。


佐藤学校仮入校