8月27日(木)、
佐藤は参議院外交防衛委員会で質問に立ちました。

冒頭、平和安全法制に関連し、
以前行われた安倍総理とある野党の代表との党首討論を
話題に取り上げました。

討論の場においてある野党の代表は、
朝鮮半島で有事が起きた場合、
米艦の防護は「海上警備行動」で可能
とする見解を述べました。

佐藤は驚くと共に、非常に問題があると感じました。

海上警備行動は、あくまで「警察権」によるもの。
それを、有事において「自衛権」であるかのごときに行使する。

米国が国際的な紛争において武力を行使している際に、
「警察権」によって米艦を防護し、
そのために武力を行使してもよいと言うのです。

このことは、自衛隊の対応能力という点においても、
憲法上も大きな問題があります。

警察権や個別的自衛権を拡大解釈し、
現場が法制度に違反するような状況に至らしめることは
立法府に身を置く者として、
何としても避けなければなりません。

平和安全法制は、
こうした自衛隊の対応能力や
憲法上の問題などを引き起こさないために
整備するものです。

法整備が今求められている大きな理由は、
日本を取り巻く安全保障環境の変化です。

質問時、それを象徴する事例も紹介しました。
中国海軍の募集広報用動画です。

中国海軍は、
兵員を募集する広報用動画において、
尖閣諸島の映像を流しています。

それだけではありません。
「彼らの占領を許してはおけない」
とする字幕まで添えてあります。

外務大臣に対して我が国としての対応を質問したところ、
既に外交ルートを通じて、
東京と北京において抗議したことを確認しました。

しかし、こうした動画は
今までになかったレベルの動画です。
「抗議」で終わるのではなく、
より具体的な対応求められます。

こうした現実を踏まえた上で、
今回は特に沖縄に焦点を当てました。

現在、普天間基地の移設に伴う辺野古沖の工事が中断され、
1ヶ月間の集中的協議を政府と沖縄県側は行っています。

協議を行っている今だからこそ、
移設に対する理解と支援の輪を広げるべく、
沖縄が持つ地政学的価値や
在沖縄海兵隊の戦略的価値といった
より根本的な観点を整理する必要があると、
佐藤は考えています。

本日の委員会でもそれらの点を主に防衛大臣に問いました。

沖縄はハワイやグアムに比べ大陸や東アジアという地域に近い一方、
我が国の周辺諸国との間に一定の距離も有しています。
「近からず、遠からず」です。

沖縄は我が国の生命線であるシーレーンにも接しています。
東シナ海から太平洋に抜けるためにも、
太平洋から東シナ海や南シナ海に向かうためにも、
沖縄沖を通過することになります。

周辺地域との適度な距離と
海上交通路の要衝であること。
これこそが、沖縄の地政学的価値です。

これらは防衛大臣の答弁の中でも明確に言及されました。

それでは、そうした地政学的価値のある沖縄に駐留する
米海兵隊の戦略的価値とは何か。

端的に言えば、
日本に所在する唯一の地上戦闘部隊
ということです。

しかも、その地上戦闘部隊は、
海兵隊の持つ特性である
機動性と即応性を有し、
幅広い任務に対応可能です。

在沖縄海兵隊は、
「専守防衛」に徹する我が国に所在する
貴重な「地上打撃力」なのです。

ちなみに在日米陸軍は
戦闘部隊ではなく、
兵站部隊が主になっています。

日本の安全保障を考える上で
極めて重要な場所に
重大な役割を担う部隊が駐留している。

これが、普天間や辺野古などの
沖縄に関する問題を考える上での
出発点となります。

政府は、国民や特に沖縄県民の皆さまに対し、
抑止力の意味するところや
沖縄の地政学的価値、
在日米軍の意義などを
もっと分かりやすく、丁寧に説明し、
理解を得る努力を尽くさねばなりません。

その際にはパンフレットを作成・配布することも
一つの方法かも知れません。

佐藤も委員会での質疑や講演など、様々な機会を捉えて、
一人でも多くの方々に、
国防の重要性や平和安全法制の必要性などについて
理解をえられるよう、力を尽くしていきます。