7月24日(金)、国防部会を開催しました。本日の議題は、沖縄県第三者委員会検証報告書、防衛装備品海外移転、そして東シナ海ガス田問題です。


7月16日(木)、辺野古埋立てに関する承認手続きについて検証する第三者委員会が、検証報告を沖縄県知事に提出しました。報告書は本文と補強部分で合計500ページを超えるものとのこと。ただ現状、全文は公開されていません。今公開されているのは2ページの要約版のみです。要約版によれば、埋立ての承認をした当時の沖縄県の審査が不十分であり、法的瑕疵が認められると結論づけられています。例えば、生物多様性の保全に係る沖縄県の計画などに違反するか否かについて、十分な審査を行わずに「適」と判断された可能性が高い旨、指摘しています。ちなみに本日の議論では、今回の第三者員会による検証作業において国側から説明する機会は一度もなかったことが明らかになりました。


防衛装備品の海外移転については、イージス・システムに係るソフトウェア及び部品等の米国への移転について意見交換しました。7月23日、国家安全保障会議において、イージス艦用ディスプレイシステムのソフトウェア及び部品を米国に移転することが、承認されました。海外移転案件としては4例目になります。イージス・システムは米国で開発された防空システムです。日本は表示装置に関するソフトウェアと部品を米国に提供することになります。ちなみに、現在6隻のイージス艦を保有する日本ですが、イージス・システムへの製造に参画するのは日本として初めてになります。



    (イージス艦内: 表示装置)


東シナ海における中国のガス田開発の状況については、東シナ海油ガス田に関連する状況図を配布の上、図を見ながら議論しました。ガス田群の南端は「白樺」(中国名:春暁)。尖閣諸島の一部である大正島の北方約300kmに位置します。ガス田群の北端(日本寄り)は、「第11号基」。佐世保の南西約580kmに位置します。


中国は現状の資源開発を「主権と管轄権の範囲内」だと主張していますが、これまで中国政府として考える境界を示したことはありません。自らは境界を示さぬ一方、日本が提起している地理的中間線を念頭に中間線以西の海域で開発を進め、「主権と管轄権の範囲内」と主張しているのです。残念ながら日本が提起した地理的中間線を逆手に取られた形で開発が進められていると言えます。


何故、境界が画定しない中、その境界付近に16基もの構造物が建設される事態に至ったのか。何故、一方的に資源開発を進められる状況に至ったのか。政治の側からも検証し、今後は、明確にして具体的な対応をしていかねばなりません。


国防に係るテーマは多岐にわたります。佐藤はこれからも、国の守りにかかわる問題を多角的な観点から部会で扱っていきます。