本日、自民党本部にて、日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会が開かれた。
議題として挙がったのは、米国内での慰安婦に関する世界史教科書問題についてであった。

 米国カリフォルニア州ロサンゼルス市などの公立高校で使われている世界史教科書に慰安婦について、史実と異なった内容の記述がされている。

 問題の教科書は、米大手教育出版社McGraw Hill(マグロウヒル・本社:ニューヨーク)が出版した「伝統と遭遇」の中の先の大戦を扱った章で、「日本軍は慰安所で働かせるために、約20万人の14歳~20歳の女性を強制的に募集、徴集した」、「逃亡を企てて殺害された慰安婦も居た」、「戦争の終結に際し、この活動をもみ消す為に多数の慰安婦が殺害された」など強制連行や殺害が行われていたかのように書かれている。

 また、「日本軍は、部隊に対し、天皇からの贈物であるとして、これら女性を提供した」ととんでもない虚偽内容まで含まれている。

 更に今日の会議の議題ではなかったが、この教科書には南京事件関連の記述や、日本海呼称についても東海(East Sea)が併記されるなど、実際の史実や国際的取り決めと異なる表記が散見されている。

 この教科書が、テネシー州、ジョージア州、ノースカロライナ州、フロリダ州の計4州において、州作成の教科書採択候補リストに含まれていることが確認されている。この4州において、実際にどれくらいの学校が使用しているかは不明だ。

 州が教科書採択候補リストを作成していない場合(例:カリフォルニア州)は、各学校や学校区が独自に採択しているので、4州以外でも使用されている可能性が否めない。

 教科書の使用有無について、実際に広大な米国の中で、限られた人員の日本の在外公館員が一つ一つの学校を調べて回るというのは難しい。そこで、在米邦人からの情報提供が行われる体制の整備が求められる。

 そして、これは国際政治における情報戦の一つでもある。その主戦場は国際政治中枢のワシントンDC、そして国連の事務局があるジュネーブだ。特にワシントンDCに我が自由民主党の支部を置かなければ、迅速な情報収集と戦略的な発信を適宜行っていけない。(かつて経団連のオフィスが置かれていたが、既に撤退している)

 先般、別の会議でも述べたが、米国の議会班担当駐在官が5人や6人では話にならない。シンクタンクとの兼務でも構わないので、早急な増員が望まれる。

 これは外務省を責めるだけで解決する問題ではない。

 更に、この会議の中で、我々自民党国会議員が重く受け止めなければならない発言が、出席議員からあった。

 現在、米国で史実に反する内容の歴史教科書が出されて騒いでいるが、ほんの数年前までそれらは日本の教科書に記載されていた事柄であり、戦後70年間の大半を政権与党として過ごしながら、無為無策に放置し続けてきたのは自民党自身である、教科書問題を取り上げると「保守系自民党議員は…。」などと報道されていたが、国の名誉や尊厳にかかわる事柄について、本来なら何々系もなく、一本化された確たる党の考えがなければならない、という意見だった。

 我々は戦後70年を迎える年にあたって、これまでの経緯をしっかりと受け止め、ことに臨んでいかなければならない。