【日本は今こそ一枚岩になり、テロに屈しない態度を!】

冷静にならないといけないが、怒りが収まらない。

擬似国家「イスラム国」による、自己の存在感の国際的アピールも狙った新要求を盛り込んだビデオ声明。その中には、「安倍総理が湯川氏を殺した」趣旨のコメントもあるが、イスラム国の挑発に乗り、一部野党議員のコメントのように、現時点で、安倍政権批判や日本国民と日本政府が対峙する構図になってはいけない。イスラム国の思うつぼだ。

よく言われるように、テロの目的は、相手国の国民に、「自分たちが悪い、自分たちの政府が悪い」と思わせて分裂させ、精神的に惑わせ、屈服させることにある。

全ての責任は、イスラム国にあり、日本政府も国民も一枚岩で、テロには屈しない態度が極めて重要だ!

一方、ヨルダン政府も非常に厳しい立場だ。

現在、イスラム国にヨルダン空軍のムアーズ中尉が捕虜になっており、イスラム国はムアーズ中尉を使ってヨルダン政府に揺さぶりをかけている。実際、ヨルダン国内にはムアーズ中尉の釈放運動もあり、それを見透かしての、ヨルダン政府に拘束されているテロリスト、サージダと後藤氏の交換釈放要求と思われる。即ちヨルダン政府と国民への揺さぶりと、日本とヨルダンとの分断も視野に入っていると見るべきだ。極めて狡猾だ!

サージダとその夫達が実行した05年のアンマンの惨劇は、ヨルダンでも有名で、その犯人を釈放することは一般にはあり得ない。一方、有志連合の一員としてシリア空爆に参加して捕虜になったムアーズ中尉は、米国の特殊部隊が救出を試みたほど、ヨルダンだけでなく欧米でも有名な人物。

仮に、後藤氏を助ける為に、ヨルダンで惨劇テロを起こした仲間のサージダを釈放するということは、イスラム国に拘束されているヨルダンのムアーズ中尉とザジーダとの交換釈放の可能性がなくなることも意味する他、日本からの多額の人道支援を得る代わりに、テロリストを釈放し自国民を見捨てたとの批判がヨルダン政府になされる可能性もある。

ヨルダン政府にとって、ヨルダン国民の命より日本国民の命を優先することは極めて困難だろう。

我々日本国民は、まさにこれら状況を踏まえた上で、対応することが大事だ。「日本政府は何をやっているんだ、後藤氏を助ける為に、ヨルダン政府と連携せよ」等矛先をイスラム国から日本政府に向けてはいけない。これこそ、イスラム国の思うつぼだ。

繰り返す!我々は、後藤氏の解放を強く求めると同時に、日本政府を信じ、「全ての責任は、イスラム国にあり、日本政府も国民も一枚岩で、テロには屈しない態度」を取ることが極めて重要だ思う。