自民党安全保障調査会(今津寛調査会長)・国防部会(部会長 佐藤正久)で、「防衛省・自衛隊における諸手当等に関する要望」を加藤勝信代議士(内閣官房副長官・内閣人事局長)に申し入れました。

趣旨は次の通りです。

一、特殊作戦群及び西部方面普通科連隊の処遇改善について

 


 新たな防衛大綱に基づき、自衛隊の離島防衛能力を強化するため、本格的な水陸両用作戦能力を有する「水陸機動団」が、今中期防期間中(平成30年度末まで)に新編されることとなった。この部隊は西部方面普通科連隊を基盤として編成され、現在は、約700名体制であるが、最終的に約3,000名体制となる予定であり、その基盤となる西部方面普通科連隊は、離島奪還任務等を遂行するため、全隊員が日夜極めて危険かつ困難な訓練を実施している。

 

 しかしながら、現状においては一部の隊員しか手当が支給されていない状況である。

 

 今後、水陸機動団の発足に向け、著しく危険・困難な任務を遂行しうる優秀な隊員を全国の部隊から確保し、また、水陸機動団と親和性の高い特殊作戦群及び第1空挺団との人材交流を活発にし、離島防衛任務を遂行する部隊の人材確保・育成を円滑にすることが求められることから、水陸機動団の基盤となる西部方面普通科連隊の処遇改善が急務である。

 

 また、専門的な機能を備え、偵察・潜入等、離島防衛に係る各種作戦において最も高度な任務を遂行する特殊作戦群に対しても、著しく危険かつ困難な任務・訓練に見合いかつ陸上自衛隊における最高水準の特殊隊員としての地位にふさわしい処遇改善が急務である。

 

 

 

二、在外邦人陸上輸送に従事する隊員の処遇改善について

 


 平成25年1月のアルジェリア人質事件を踏まえ、自衛隊法改正法が同年11月施行され、自衛隊には海外内陸部地域において緊急時に在外邦人を車輌等により輸送する任務が新たに付与された。この新たな任務は、イラク派遣と同様に治安状況の劣悪な環境下で行うものであり、不慣れな現地において邦人の生命又は身体を防護しつつ陸上輸送する危険・困難な任務であるにも関わらず、支給額は従前と変わらない状況である。

 

 そのため、在外邦人の陸上輸送任務に従事する隊員の処遇改善が急務である。

 

 

 

三、統合任務業務に関わる隊員の処遇について

 


 南西諸島における事態生起の蓋然性の高まりを受け、弾道ミサイル対処等の実任務及び水陸両用作戦遂行能力向上のための統合訓練等において、海上自衛隊乗組員以外の陸上及び航空自衛官が護衛艦等に乗艦し統合任務を実施する形態が増大し、今後もこのような形態が常態化する見込みである。

 

 しかしながら、海上自衛隊の乗組員以外の陸上及び航空自衛官には手当が支給されておらず、同一任務に従事している陸海空隊員間で不平等感が生じ、統合部隊としての団結、規律、士気に悪影響を及ぼしている状況である。

 

 このため、護衛艦等に乗艦し統合任務に従事する陸上及び航空自衛官にも手当を支給するよう処遇を改善することが急務である。

 

 

 

 上記に鑑み、自由民主党安全保障調査会並びに自由民主党国防部会は、以下の4点について、とくに善処されたく要望する。

 

 

 

                記




 

1.特殊作戦群に対する手当を、現行の33%から60%への増額

 


2.西部方面普通科連隊に対する手当を、現在支給されているレンジャー小隊から全隊員に拡大するとともに、現行の16.5%から33%への増額

 


3.在外邦人陸上輸送に関わる基礎額を、7,500円から10,500円への増額

 


4.護衛艦等に乗艦して統合任務に従事する陸上及び航空自衛官に対する手当の支給