○ 陸自オスプレイの佐賀空港配備のメリット
政府・防衛省は、陸自配備のティルトローター(オスプレイ)17
機を佐賀空港に配備する方針を固め、佐賀県との交渉に入った。防
衛省の意向では、オスプレイの部隊に加え、佐賀県目達原駐屯地所
在の西部方面隊隷下のヘリ部隊もオスプレイの佐賀空港配備後、佐
賀空港に移駐させる他、沖縄所在の海兵隊のオスプレイの訓練等で
の立ち寄りも視野に入れている。
海兵隊のオスプレイの本土移転訓練等は、沖縄の負担軽減という意
味でも大きな意義を有する他、陸自オスプレイとの共同訓練、或い
は米軍オスプレイの国内整備後の機能確認・訓練という観点でもメ
リットがある。
それ以上に、年々、波が高くなっている南西諸島防衛警備上も、オ
スプレイは有効だ。南西諸島防衛の一翼を担うのが、今度、長崎県
相浦駐屯地に新編される「水陸機動団」で、その輸送手段としてオ
スプレイは期待されるが、オスプレイ...は、ヘリと固定翼の特性を併せ持つ関係上、滑走路がなくても空き
地や海自大型輸送艦上でも離着陸でき、また航続距離も速度もヘリ
よりも格段に上回っているため、離島防衛警備には有効だ。
佐賀空港は、その相浦駐屯地にも近く、また、兵站基地である佐賀
県目達原駐屯地にも近いという特性がある他、海に面しており、土
地もあり、民航機の離発着回数も、他空港と比しそれほど多くない
。民航との共用で懸念を持つ方もおられる思うが、同じ九州でも、
沖縄の那覇空港も共用だし、実は福岡空港も自衛隊との共用空港で
もあるため、共用のノウハウは十分にある。
繰り返すがオスプレイの優れた特性は、その行動半径だ。行動半径
が給油なしで600Km(那覇空港から尖閣往復可能)、空中給油
1回で行動半径約1100Km(相浦駐屯地から尖閣往復可能)だ
。ただ、速度が固定翼モードでは、ヘリよりも速いために、コブラ
やアパッチの攻撃ヘリが移動間随伴できないという側面がある。目
的地近くに援護の為に攻撃ヘリを事前に推進しておく等の処置も必
要となる。
更に、東京都小笠原村も災害対処・緊急患者空輸の観点からオスプ
レイに関心が高い。現在、岩国基地所属の海自US-2を一部厚木
基地に常時推進していることと同様、首都防衛警備、離島対処等の
観点から、佐賀空港のオスプレイの一部を、木更津等の陸自駐屯地
に推進する態勢をとることも考えられる。
上記の他、まだまだメリットもあるが、今後、政府と佐賀県との受
け入れ協議が加速化し、早期に配備実現の方向性が出ることを強く
願うし、佐藤も汗をかきたいと思う。