靖國神社崇敬奉賛会主催 第十五回英霊慰霊顕彰勉強会にお招き頂き、『靖國神社と自衛隊』というテーマでお話をさせていただきました。

 昨年末、安倍晋三首相が自身としては初めて首相として靖國神社へ公式参拝されました。
安倍首相は確たる決意をもって参拝されたことと思いますが、例によって中韓が騒ぎ立て、同盟国である米国までも「失望」の意を表したことから国内でも様々な立場から多くの意見が交わされました。

 多くの意見に触れる中で私は本公演の題目について、自衛隊出身者として、日本を代表してイラク、ゴラン高原、カンボジアに赴いた経験からの意見を述べました。
 それは国の為に、時に命を賭す覚悟を決め、自己犠牲を払って任務に就く自衛官に対する「名誉」が全く以て足りないということです。

 幸い、自衛隊創隊以来 戦闘行為で殉職した自衛官はおりません。このことは大変素晴らしいことですが、一方で勤務中の事故等で命を落とす自衛官もいます。こういう人たちを含め、任務の途にある自衛官が不幸にした殉職した場合、国としてどのような処遇をするのか、国の盾となった人にどのような「名誉」を与えるのかということに対し、議論の議の字も無いのが現状です。

 中には警察官だって勤務中に死ぬことがあるじゃないか、じゃあ殉職警察官も靖国に祀っているのか、消防士はどうだという意見もあります。しかし自衛隊と警察や消防は全く別のものなのです。
 警察官や消防士というのは国体、主権がしっかりした中で公の任務に就き、体を張り、命を掛けているのです。一方の自衛官というのは国体、主権を守る為に存在しているのです。国内法規が及ばない国外に対して自己犠牲の精神で向き合っているのです。こういったことは憲法にも書かれて然るべきところです。

 天皇陛下との関係においても自衛官は「名誉」が十分に保たれているとは言い難い状況です。
迷彩服を着た自衛官が初めて天皇陛下と対面したのはあの3.11東日本大震災の復旧救護活動時でした。警察や消防の式典に陛下がお見えになることはありますが、自衛隊の式典にお越し頂いたことはありません。

 10年前、私たちがイラク復興支援の先遣隊として赴いたときは、市ヶ谷の駐屯地から出立する際、裏口から出るように言われ、成田空港では制服の着用を禁じられバスの中でカーテンを閉めパンツ一丁になってスーツに着替え、挙げ句は日系航空会社から搭乗を拒否されました。

 そんな中、搭乗した米系機のキャビンアテンダントから「ありがとう、これは私たちからの謝意です」とキャンデーを渡されました。日本国の為に命を賭していくのにぞんざいな扱いを受け、打ちひしがれていた我々にとってこのキャンデーがどれほど嬉しかったことか、お分かり頂けますか。

 この様に公務に就く自衛官への処遇、「名誉」についてはまだまだどころか全く足りないのが現状なのです。それでも一歩一歩進んでいかなければなりません。

 さて、本日はもう一人大変素晴らしい講師と御同席させていただきました。杏林大学名誉教授の田久保忠衛先生です。田久保先生は時事通信社に於いてワシントン支局長等を歴任された方で、その鋭い分析と横溢する知識による「オバマ政権は何故首相の靖國参拝に反対するのか」の題目でお話しされました。

 お話の中で強く同意したのが「戦後日本は強い後ろ支えがありそれに甘えてきた嫌いがある、やはり自分のことは自分で守る、その上での日米同盟ではないか」とのご意見でした。
 日米同盟は重要です。自立すべきところは自ら立ち、軍人への敬意の表し方など見習うべきは見習う、という姿勢が大事ではないでしょうか。

 国民一人一人が今ある自分が何故居られるのか、祖先の代から脈々と守られ受け継がれてきた国家があるからこそと思えるようにしていかなければなりません。一つ一つ進めていきましょう。







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