本日8時より、自民党本部に於いて「国防部会・防衛政策検討小委員会」の第2回目が開催された。
今会議では、国際平和協力活動の取り組みの強化、東日本大震災への対応を踏まえた災害対処能力の強化についての報告がされた。

まず防衛省より、国際平和協力活動の取り組みについて説明があった。
「新『防衛計画の大綱」策定に係る提言」において、国際平和協力活動への積極的参加、人材育成、国際平和協力のための一般法の制定、ODAなどとの戦略的連携、相手国の能力構築支援、現地拠点の活用、などを掲げている。
国際平和協力活動は近年、多機能型・複合型の傾向があり、国のガバナンスを支援する任務が多くなってきている。これは自衛隊の得意とする分野での任務が拡大してきているとも言える。
これまで30余りのミッションに参加した自衛隊は、規律の高さや仕事の正確さに定評があり、これからは、派遣のスピード、期間について成果や経験を蓄積する必要がある。

次に、能力構築支援について説明があった。
平成22年度防衛計画の大綱で取り組みを明記している通り、発展途上国の軍隊などの能力を向上するよう支援している。
この能力構築支援の意義は、わが国周辺の安全保障環境を改善することによる我が国の安全確保、当該国との防衛協力や関係強化、同じく能力構築支援を重視しているアメリカやオーストラリアとの連携強化、自衛隊自らの能力向上、の4つにある。
23年度に取り組みのための調査を開始し、24年度には東ティモール、カンボジア、ベトナム、インドネシア、モンゴルに対し現地でセミナーや人材育成などを行った。25年度には2.3億円の予算のもと支援をしており、26年度の取り組み予定として上記国以外にもフィリピンを対象国に追加し、アメリカ・オーストラリアと共に支援プログラムを強化する予定である。
今後の課題として、現地に派遣されている要員の地位の保全が挙げられた。

最後に、東日本大震災への対応を踏まえた災害対処能力の強化について説明があった。
災害対処能力の強化についての提言として、輸送力・機動力の強化、活動拠点となる駐屯地などの機能強化、自治体との連携強化の3つがある。
東日本大震災への対応を踏まえた改善事項の主なポイントは、災害時の組織などの強化、装備の充実、諸外国・関係機関との連携、派遣を支える組織の強化などである。
特に大災害時の救援物資輸送にかかる体制構築が必要であり、26年度概算要求にも装備品の取得などを盛り込んでいる。

上記の報告の後、部会長より国家公務員法などの一部を改正する法律案について、制度改編により、他省庁にも大臣補佐官が設置されることに伴い、防衛大臣補佐官から防衛大臣政策参与と名称が変わることの説明があった。
また、国際平和協力活動にかかる法改正の余地や派遣先、能力構築支援の戦略的構想、災害時における在日米軍との連携や役割分担の事前調整の必要性などについて、多くの意見が交換された。
PKOはもはやcontribution(貢献)ではなく義務であり、また、災害に際して政治家は「想定外」は使ってはならず、自衛隊は国防のため普段から厳しい訓練を積んでいるからこそ災害対処ができるのである、と考えている。

次回は、島嶼防衛の強化、輸送能力の強化、弾道ミサイル攻撃への対応能力の強化ついて議論する予定である。