外交防衛委員会が開催された。佐藤は質疑者として、オスプレイ事故報告、香港人活動家による尖閣諸島上陸、都の尖閣諸島購入、在外公館法改正法案について以下の質問・指摘を行なった。


 オスプレイの事故調査報告に関して、副操縦士の人的ミスによる事故が原因と報告されているが、なぜ副操縦士はミスを犯したか追求が甘いために次の安全対策につながらないことを指摘した。


 尖閣諸島の香港活動家の不法上陸に関して、海保が撮影した7時間のビデオを見たかとの質問に対し、吉田国土交通副大臣は30分のビデオしか見ていないと答えた。


 海上保安官にレンガを投げた活動家に暴行罪や立入検査忌避罪が適用されなかったのかの質問に関し、吉田国土交通副大臣は現場の司法警察職員が判断したと終始した。


 尖閣諸島は3つの島があるのにも関わらず、警察官が配備されていたのがなぜ魚釣島だったのかとの質問に対し、西村警察庁警備局長は魚釣島に上陸が高いと判断したため警察官を配備したと答えた。重ねて警察が録画していたビデオの公開を求めた。


 反日デモが相次ぐ中国において丹羽大使が移動中に国旗を取られたことに関し、警備態勢の甘さを指摘した。


 慰安婦に関して、20万人もの女性が強制拉致され慰安婦となったと歪められた情報がアメリカ国内に流布されている問題について在米日本大使館の広報部や議会班の態勢強化を求めた。

外交防衛委員会の最後に在外公館に関する附帯決議について佐藤が読み上げました。


在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議


 東日本大震災から既に一年五箇月余りが経過した。この間、国際社会から我が国に対して多くの支援が寄せられた。これらの支援をこれまでの我が国の外交活動に対する評価の表れと捉え、我が国は引き続き積極的な外交活動を行う必要がある。また、国際情勢が不確実性を増し、尖閣諸島や竹島問題等近隣諸国との関係にも困難が生じている 中、我が国に求められているものは、国益を踏まえつつ、国際社会との協力・連携の下、諸課題に毅然と対応する外交力である。そのためには、外務省の外交体制の強化や危機管理体制の改革が不可欠である。



 同時に、国内においては、厳しい財政事情及び東日本大震災に対処する必要性に鑑み、一層の歳出削減が求められており、在外職員に支給される在勤手当など、在外公館に係る様々な経費についても、国民から厳しい視線が注がれている。外交体制強化等への取組に際しては、こうした国内事情を重く受け止め、国民の声に真摯に応えていく必要がある。

 これらを踏まえ、政府は、本法の施行に当たり、次の事項について検討の上、適切な措置を講ずるべきである。



一、我が国の外交力強化の観点から、外交の最前線基地である在外公館の重要性に鑑み、我が国の国益、相手国との相互主義等を踏まえつつ、戦略的に大使館の実館化を進めること。特に、国連南スーダン共和国ミッションが展開され、我が国も自衛隊を派遣している南スーダンについては、国造りを継続的に支援し、緊密な二国間関係を構築するため、一刻も早く実館を設置すること。なお、実館開設までは、在スーダン大使館が在南スーダン大使館を兼轄するが、南スーダンにおける外交活動に遺漏なきよう万全を期すること。



二、在外公館においては、大規模自然災害、治安情勢の悪化、犯罪・テロ等の緊急事態の際、在外邦人に対して迅速かつきめ細やかな支援を行えるよう、情報の日常的な提供・共有体制等も含めて危機管理体制の機能拡充に努めること。



三、在外公館においても、領土問題等に関する我が国の立場の発信に、より一層努めるとともに、竹島問題等領土に関する政府一丸となった取組を強化し、外務省として十全の参画を図ること。


四、我が国の厳しい財政事情を厳粛に受け止め、在外公館に関わる予算の効率性・透明性を高めるとともに、その執行に当たっては、適切な支出が図られるよう具体的な措置を講ずること。



五、在勤手当については、各任地の事情を勘案するとともに、民間企業や諸外国外交官の給与・手当の水準、為替・物価の変動など客観的な基準を踏まえ、必要に応じて全般にわたる見直しを行うこと。見直しに際しては、国内の財政事情及び外交活動を推進する上での必要性の双方を考慮し、適切な額を算出すること。なお、外務省が実施する各地の生計費等の調査結果及びその在勤基本手当等への反映状況については、国会に対して十分な報告を行うこと。



六、国際社会のグローバル化による海外渡航者や在外邦人の増加に伴って領事業務の重要性が高まっていることに鑑み、邦人の活動環境を向上させるため、国民の視点に立った領事サービスの不断の向上に努めること。



七、外務省においては、より一層の情報公開と外交機能強化のための組織・制度の改革に全力で取り組み、その成果を国民に対して分かりやすく説明すること。



八、在外公館における監査・査察体制の一層の強化を図ること。



九、在外公館においては、被災地産品の風評被害の解消に向けた情報発信・広報体制の強化など、東日本大震災からの復興等に資する取組を官民一体となってより一層推し進めること。

右決議する。