数年前に母と行ったホームセンターで
フェイクの多肉植物を買ったんです。
今のフェイクものはとってもよくできていて、
見た目も触った感じも本物みたいです。
「よくできてるね〜。本物みたいだね〜」
と二人で言い合ったので、
母もこれが作り物であることは知っているんです。
でもだいぶ経ってから実家に帰ってみたら、
そのフェイク多肉が窓辺に置いてありました。
「ん?なんで窓辺?」
「日光に当ててる?」
「本物と間違ってない?」
いろいろ考えましたが、そのときは聞きもせずそのままにしておきました。
昨年母が亡くなり、
「作り物って知っててやってたのか、
忘れて本物だと思ってたのか
やっぱり聞いておけばよかったな〜」
と思う時があります。
最初はニセモノだとわかっていても、
作りが精巧なために本物とときどき勘違いしてしまうもの。
フェイクと知っていながら、
愛着がわくと本物以上に大事にしてしまうもの。
楽しむだけだったらそれで良いと思います。
本人の感覚しだいでモノの価値って変わるんですから。
それに現代は技術の進化のおかげで、
バーチャルに恋する人だっているんですからね。
母は窓辺のフェイク多肉植物に
水をあげていたんでしょうか。
多肉にはあまり水はあげなくて良いというのは
知っていたので、やっていないと思いますが・・・
こればっかりはわかりません。
雨の日はなんとなく
小さなことが思い出されます・・・