とてつもなく大仕掛けの呪(しゅ)が在った

 

仕掛けは大きすぎそれが呪であるとは誰も気付かない

 

夢にも思わないという夢へ、皆飲み込まれていく

 

 

暮らしの一部と親しんできたものが

 

巨大な呪(まじな)いの一部に姿を変える

 

何も変わらない振りをして近づき

 

皆に魔法の粉を振りかけた

 

 

すると目の前にベールが現れた

 

誰もがそのベールを欲しがるようになった

 

人々はベール越しにしか顔を見られなくなり

 

互いの声はだんだん聞こえなくなっていった

 

 

呪を見破るものの声は誰にも届かない

 

呪を見破るものの声は最初誰にも届かない

 

それでも松明は灯し続けねばならない

 

途絶えさせぬように

 

 

あしきものたちよ

 

お前達はその灯かりを見ることはできない

 

その灯かりの持つ力を知ることはできない 

 

松明は増え続けている