これは4,5年くらい前の話です。

 

子ども(高校生娘)の習い事の送迎で、町の外れの山林内にある『研修センター』のような施設に毎週車で通っていました。

 

夜7時から9時の習い事で、山林に向かう丘を登る途中までは民家もあるものの、その先はどんどん外灯も建物も少なくなっていきます。

 

施設エリアの入り口には2メートルほどの「(昔の)旅人の銅像」が1体あるのですが、周りに外灯がほとんど無くなった中、車のライトが当たった時に初めてそこに銅像があることがわかるといった位置関係で、毎回通る度にびっくりして心臓にも良くない作りです。

(そして通る度、その銅像にちょっとした気持ち悪さも感じています。)

 

施設エリア入り口からアプローチの坂を50メートルほど運転していくと、広い駐車場があり、その奥にセンターの施設があります。

 

ちなみにこの入り口~坂~駐車場に至るまで、外灯は一切無く、駐車場と施設の周りは全て山林(暗闇)です。

 

習い事の先生が先に施設の電気を点けてくれているので、木々の隙間から見えるその灯りだけを頼りに、坂道を登っていきます。

 

到着したら娘を送り出し、私はいったん自宅に戻ってまた2時間後に迎えに行くというのが普段のパターンなのですが、その日は山林に裏道があることを思い出し、その裏道を抜けたところにあるホームセンターで買い物をしようと考えて、普段帰る道とは逆方向の道に入りました。

 

 

裏道に入ってしばらく進んで行くと、まず、それまで点在していた外灯が一切無くなりました。

 

そして道幅も狭くなり、記憶が正しければ山林に沿って坂道を下っていくはずだったのですが、道が下っていく気配はいっこうに無く、どんどん山の奥に入っていきます。

 

「まずい、どんどん山奥に向かってる!」と気が付き、車を切り返せる場所がないか探して、すぐそばに側道の入り口のような場所があったので、そこで切り返すことにしました。

 

外灯の無い山道なので、切り返す時は車のライトの明かりだけが頼りです。

 

 

車をバックで側道に入れようと後ろを振り向いて奥の暗闇を見た瞬間。

 

肌がザザザザーーー!!と粟立つ感覚と、暗闇しか無いのに「見てはいけないもの」を見てしまったような、不気味さ、禍々しさ

 

「本当に『邪悪なエネルギー』というものがあるのだ」と感じさせるような、それまでに感じたことの無い恐ろしさを感じました。

 

 

急いでここから離れなくては。

早く明るい場所に行かなくちゃダメだ。