こんにちは。
今回は「労災法」になります。
この科目は6点に絞り、そのうち今回は3点をご紹介します。
①行橋労基署長事件(最判平成28年7月8日)の判旨
(選定主旨)
最高裁判決から3年が経過。かなり「画期的」な判決内容でもあり、そろそろ選択式に出題される可能性あり。
(要注意ポイント)
Aは、本件会社により、その事業活動に密接に関連するものである本件歓送迎会に参加しないわけにはいかない状況に置かれ、本件工場における自己の業務を一時中断してこれに途中参加することになり、本件歓送迎会の終了後に当該業務を再開するため本件車両を運転して本件工場に戻るに当たり、併せてB部長に代わり本件研修生らを本件アパートまで送っていた際に本件事故に遭ったものということができるから、本件歓送迎会が事業場外で開催され、アルコール飲料も供されたものであり、本件研修生らを本件アパートまで送ることがB部長らの明示的な指示を受けてされたものとはうかがわれないこと等を考慮しても、Aは、本件事故の際、なお本件会社の支配下にあったというべきである。また、本件事故によるAの死亡と上記の運転行為との間に相当因果関係の存在を肯定することができることも明らかである。
②長時間・加重労働等における認定基準
(選定主旨)
時間外労働規制を中心とした労基法改正の流れと関連して、出題される可能性がある。
(要注意ポイント)
■心理的負荷による精神障害の認定基準(平成23年12月26日基発1226第1号)
「極度の長時間労働は、心身の極度の疲弊、消耗を来し、うつ病等の原因となることから、発病日から起算した直前の1か月間におおむね160時間を超えるような、又はこれに満たない期間にこれと同程度の(例えば3週間におおむね120時間以上の)時間外労働を行った場合等には、当該極度の 長時間労働に従事したことのみで心理的負荷の総合評価を「強」とする。」とされている。
■脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準(一部改正:平成22年5月7日基発第0507第3号)
「過重負荷の有無の判断として発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できること」とされている。
③特別支給金に関わる取り扱い
(選定主旨)
初学の受験生がなかなか学習が行き届きにくい分野と言われており、難易度調整として出題される可能性あり。
(要注意ポイント)
■特別支給金の支給に関し必要な事項は、「労働者災害補償保険特別支給金支給規則」により 定められている。
■休業特別支給金の支給申請は、原則として、休業補償給付又は休業給付の請求と同時に行う必要がある。また、この申請は休業特別支給金の支給の対 象となる日の翌日から起算して2年以内に行わなければならない。
■「算定基礎年額」とは以下のうち最も低い額とする。
1)被災労働者が被災時に属していた事業の事業主から、原則として、負傷又は発病の日以前1年間(雇入後1年に満たない者については、雇入後の期間)に受けた労基法12条4項 の3箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(臨時に支払われる賃金は含まれない)の合計額
2)年金給付基礎日額×365×20/100
3)150万円
今回もアクセスいただきありがとうございました。