バルセロナ旅行の記事は1本に絞ろうと思っていたのですが
5泊6日間、記録しておきたい場所がたくさんありすぎました
2人子連れであちこち見学して(それでも行きたかった場所全部には行けなかった)暴飲暴食した結果
復路は悪夢となったわけですが…
まあそれはおいといて…ボルン地区を散策した日のことを書きます。
子連れ家族で観光するには、ちょっと日にちを間違えました
9月11日、といえばアメリカ同時多発テロの日、ですが
バルセロナにとっても意味のある日だったのです。
バルセロナは現在、スペインの1都市ですが、
実はここに住む人々は、日常的にはスペイン語を話しません。
バルセロナの公用語はカタルーニャ語。
日本の方言くらいの違いではなく、全く違う言語です。
バルセロナやジローナのあるカタルーニャ地域は、スペインとは本来言語も文化も異なる場所だったのでした。
それが、スペイン王位を巡るスペイン継承戦争の果てに、1714年9月11日、
バルセロナはスペイン軍に陥落し、スペインの統治下に置かれたのです。
以後、カタルーニャの言語はもちろん、伝統音楽の演奏、旗の掲揚などがたびたび禁止され、
1970年代にカタルーニャの経済が急激に成長して79年に自治州の発足が認められるまで
カタランの人々は文化の弾圧に耐えてきたのでした。
自治州が発足して落ち着いたのかと思えば、そうではなく、
2010年、カタルーニャ自治憲章がスペイン憲法裁判所で違憲とされると
カタルーニャの人々が抱いていた独立への思いが一気に噴出。
以来独立への気運がかなり高まっているそうなのです。
バルセロナが自治権を奪われた9月11日は、そんな彼らの気持ちが最も煮えたぎる日。
しかもボルンはバルセロナ市民の大虐殺が起こった場所。
カタルーニャの人々は、この日、この場所に集うのです。
我々、そんな歴史をなーんも知らずに遊びにいっちゃった…ので
カタルーニャの旗を体に巻きつけた人たちの波に飲まれたのでした
伝統衣装を着た人々の行進が見られたのは、よかったかな。
ほとんどの人が「punt」と書いたTシャツを着ていました。
puntはカタルーニャ語で「平和」を意味するそうで
地元新聞社がブースを出して、このシャツを販売しているのが印象的でした。
この日はよく晴れて暑かったので、あとで汗まみれで舗道に座り込み
ビールを飲んでいる、伝統衣装の人たちを見かけました。
赤いタイツまで穿いて、さぞ暑かったろう…
「9.11はカタルーニャの独立心が高まる日で
ボルン・カルチャーセンターに行けばヒューマンタワーが見られる」というのは友人から聞いていて
あと少し歩いていけば、こういうものが見られたのですが
幼子連れだし、ヨーロッパはちょっときな臭いですからね…。
ボルン地区にはもともと何を見にきたかというと、
ここには教会などの歴史的建造物が多いのです。
こちら、サンタ・マリア・ダル・マール教会。
名前のとおり、「海のマリア様」をお祭りする教会です。
バルセロナの船乗りたちは、ここで安全祈願をしてから海に出たんだとか。
思ってたよりスケールが小さくてがっかり…ってことあるじゃないですか。
でも、今回3つ訪れたバルセロナの教会はどこも想像のはるか上!
一歩足を踏み入れると、空間の高さ・広さに圧倒されます。
ましてや、日本でカトリックの幼稚園にしばらく通い
食事の前のお祈りが習慣化した長女は、もうひざまずかんばかりでした。
お店のシャッターに描かれたペイントも、
ロウソクを買って、お供えできるようになっています。
近くにあるもうひとつの教会・カテドラルでは、お金を入れてボタンを押すと
LEDのロウソクが灯る方式になっていて、
サンタ・マリア・ダル・マルでは献火したけれど
カテドラルではやる気になれず…
ちなみに、サンタ・マリア・ダル・マール教会は
王侯貴族が造ったカテドラルに負けじと、カタルーニャ庶民が力を合わせて建設した教会だそうですが、
内戦で焼かれ、11日間燃え続けた煤の痕が天井に残っています。
どうりで、この前にたくさん、カタルーニャ独立グッズのブースが立ち並ぶわけですね!
教会の周りの狭い街路が、なんとも素敵でした
落書きやベランダにかかった洗濯物も、
海の近くのシウタデリャ公園まで歩いていきました。
ドバイではなかなか外遊びができないチビたちを、遊ばせてやりたかったのです。
シウタデリャ公園は、入口の景観がなんかすごく…名古屋の鶴舞公園に似てました。
おお、こんなところに名古屋が⁈と思いつつ、中の動物園へ。
ここのオランウータンなんか、デザイナーズマンションみたいなとこで飼育されてますよ
入園料が2000円くらいですが、広いし、イルカのショーなんかもあるし
レッサーパンダやカピバラやらアイドル系も揃ってるし
アスレチックもあれば、キリンやゾウガメを眺めながらクララ(ビールのレモネード割)飲んだりもできるし!
広い園内は、ゴルフ場のカートみたいなのに乗っての移動もできます。
「撮って〜」と言わんばかりに、水槽手前でたゆたうアシカさん。
気になったのは、こちら、ジャビルーさん。
熊もプレーリードッグもワニもバクもみんなサービス精神旺盛でした。
ゾウも目の前でバナナを房ごとパクパク食べてくれました。
あと、マングースにスナック菓子を袋ごとあげる家族も目撃した…
そんなわけで、動物園をたっぷり堪能し、
ちょっとリアルなナマケモノのぬいぐるみをお土産に買って帰りました。
その夜は、バルセロナ在住のお友達と夕食。
ディアゴナルの駅からちょっと歩いた、Vila de Graciaの広場に連れていってもらいました。
この広場には歴史のありそうな時計台があって、その周りにぐるりとある飲食店が
それぞれ広場にテラス席を設けています。
広場では子どもたちが駈けまわって遊んでいます。
すなわち、子どもを公園で放牧しながらごはんが食べられるわけですよ…!
ハシゴ酒もできちゃいそう!
並びには「KAKIGORI」というどら焼き屋さん?もありましたよ
時計台についてる、愉快な兄弟?です。
で、ここで子どもらを遊ばせつつ、キリッと冷えた白ワインにフィデウア(パエリヤのパスタ版)や
バルセロナでは安価なフォアグラのソテーを愉しんでいたのですが
ここでまさかの心霊体験が…⁈
遊ぶのに飽きて、私の膝に乗っていたつーこ(2歳)が
「ママー、あかちゃんいくー」と言って、時計台のほうに歩き出しました。
つーこの進む方向にはベビーカーの親子連れがいて
てっきりその子を見に行くのかと思いきや…
つーこは赤ちゃんを通り過ぎ、時計台のすぐ前で立ち止まりました。
時計台には、金属の頑丈そうな、長年開けられたことのなさそうな扉がついています。
つーこはその扉を指さし、
「あかちゃん、いっぱいー」
…(°Д°;≡°Д°;)!
時計台は暗くなると中に灯りが点ったので、中に人が入ることはあると思うのですが…
赤ちゃんはいっぱいいないんじゃないかなあ…。
あとで由来をウィキペディアで調べてみようと思ったのですが、
カタルーニャ語では詳しくいろいろ書かれているのが
英語ではあまり載っておらず、わかりませんでした。
こちらのページ、読める方がいらっしゃいましたら、教えてください!